2023年9月1日

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【9月1日は防災の日】関東大震災から100年
二度と繰り返さないための企業・団体の防災対策

2023年9月1日は、防災の日です。この日は関東大震災から100年が経過した日でもあり、防災の日の中でも、特に重要な日として位置づけられます。

 

未曾有の大震災となった関東大震災の凄惨な状況を繰り返さないためにも、企業・団体に求められる防災対策について今一度考えてみましょう。

 

史上最悪の地震「関東大震災」から100年が経過

 

今から100年前の1923年9月1日11時58分、神奈川県の相模湾北西部を震源地とする、マグニチュード7.9の巨大地震が発生しました。

 

死者数は約10万5,000人にも及びました。近代化した首都圏を襲った唯一の巨大地震であり、日本で史上最悪の地震として考えられています。

 

関東大震災は、相模トラフを震源とする海溝型地震です。東京や神奈川、千葉県など関東一帯に発生した地震であり、特に東京での大火災が大きな被害をもたらした地震となりました。

 

画像出典:
日本地震工学会論文集『関東地震(1923年9月1日)による木造住家被害データの 整理と震度分布の推定

 

この関東大震災が由来となり、発生日の9月1日は「防災の日」となっています。地震や津波、台風などの災害に対する認識を深め、対処できる心構えを準備するために、防災の日が制定されました。

 

関東大震災から日が経ち防災対策が進む

 

関東大震災のほかにも、日本は数々の巨大地震に見舞われてきた地震大国です。関東大震災から100年が経過し、日本では緊急地震速報の整備や、死傷率低減の対策が取られてきました。

 

緊急地震速報は、強い揺れの到達時刻や震度、長周期地震動階級を予想し、すばやく知らせる情報です。

 

気象庁は、全国約690箇所の地震計や震度計に加え、国立研究開発法人 防災科学技術研究所による全国約1,000箇所の地震観測網を利用し、緊急地震速報を伝えています。

 

緊急地震速報により、私たちは前もって地震の発生を知ることができ、身を守る行動を取れるようになりました。1秒でも早く地震が来ることを知り、身を守る行動を取れば、死傷率は大幅に軽減されます。

 

参考:1秒でも早く知ることができれば、より多く助かる

 

企業・団体では巨大地震などに備えたBCP対策が進む

 

関東大震災の惨事を繰り返さないため、そして顧客や従業員を保護するため、企業・団体においても巨大地震に備えた地震対策が進んでいます。

 

とりわけ企業・団体では、BCP対策を進める動きが進んでいます。

 

BCPとは、災害やテロなどの緊急事態に対して、事業資産(従業員や建物など)への損害を最小限にとどめつつ、中核事業やその他事業の早期復旧・継続を図るため、平常時に取り決めておく内容です。

 

内閣府の「令和3年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査の概要」によると、BCPを策定している、または策定予定と答える大企業や中堅企業が増えていることがわかります。

 

画像出典:内閣府『令和3年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査の概要

 

南海トラフ巨大地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝地震など、今後数年~数十年以内に巨大地震が到来すると予想されている日本で、BCPの策定は企業・団体にとって急務です。

 

参考:BCP対策はどうやって進めるの?社内外へ周知する方法も紹介

 

【巨大地震への備え①】緊急地震速報受信機

 

今後来ると予想されている巨大地震に対し、企業・団体では、巨大地震を想定したBCP対策が求められます。先述のとおり、緊急地震速報を受信できる体制を整えるのも、BCP対策の1つです。

 

実はこの緊急地震速報には「警報」と「予報」の2種類があります。

 

警報とは、私たちがテレビやスマホ、ラジオを経由して伝えられる緊急地震速報です。対して、予報とは、民間が出せる地震情報です。

 

 

予報とは企業や学校、ビルなどで使われている緊急地震速報で、専用の受信機「緊急地震速報受信機」で受信できます。

 

予報は速報性を重視しており、警報では受信されない小さな地震でも、緊急地震速報受信機で発表することが可能です。

 

テレネットでは、緊急地震速報受信機「ハザードプロ」を提供しています。ハザードプロは、気象庁が発表する予報を受信し、テレビやエリアメールよりも早く地震の情報を伝えます。

 

ハザードプロ
 

ハザードプロは建物の制御が可能であり、設定した震度以上の地震を受信すれば、エレベーターや自動ドア、工場ラインなどが制御可能です。

 

地震計を内蔵しているため、首都直下地震のような直下型地震にも対応しています。巨大地震への対応を検討している方は、ぜひハザードプロの導入を検討してみてください。

 

 

 

【巨大地震への備え②】災害用無線機

 
関東大震災のような巨大地震が再び日本国内で発生した場合、まず考えられるのは、スマホや固定電話が使えなくなることです。

 

被災地への電話が通信設備の許容量を超えてしまい、一時的に電話がかかりにくくなってしまう現象を「輻輳(ふくそう)」といいます。実際に、東日本大震災で宮城県では全国からの電話が平常時の9倍にもおよび、一時的に発信規制がかけられました。

 

輻輳によって通信手段が確保できなければ、社内で連絡が取れず、災害後に迅速な行動に移せません。そこで、地震発生後の輻輳時にも通信できるのが、テレネットの災害用無線機「ハザードトーク」です。

 

ハザードトークM1
 

ハザードトークは法人専用(docomoとSoftBank)のデータ帯域を使用するため、災害時でも輻輳することなく通信が可能です。

 

また、複数のキャリアを使用しているため、たとえ1つのキャリアが接続できなくなっても、ほかのキャリアで接続できるため、多くの企業・自治体様で導入いただいております。

 

Wi-Fiを使用した無線通話も可能であり、巨大地震でもスムーズに連絡を取れる可能性が高くなります。

 

さらに、通常の無線機と異なりグループ通話が可能なため、複数人で同時に情報を共有することで、迅速に災害に対応できます。

 

防災無線を導入していない、また現状の無線機では不安を感じる企業・団体様は、ぜひ導入をご検討ください。

 

ハザードトークM1

 

ハワイ・マウイ島での火災が110人を超える命を奪う

 

関東大震災100年を迎える、2023年9月1日防災の日。防災についてあらためて考えるこの日の前月、凄惨な災害が発生し、多くの命が奪われました。それは、8月8日に発生した、ハワイ・マウイ島の山火事です。

 

マウイ島3箇所で山火事が発生し、観光地のラハイナと、周辺の住宅地まで延焼。地元警察によると、同月17日までで、111人の死者が出たと発表されています。

 

2023年8月29日時点、山火事の原因は判明していません(一部、電力会社の送電線が火元になったとの指摘がされていますが、まだ実態は明らかになっていません)。

 

山火事によってここまで死者が増えた原因の1つとして、火災を知らせるサイレンが鳴らなかったことが報道で伝えられています。

 

マウイ島 緊急事態管理当局は「サイレンは津波を知らせるために使用するもの」「サイレンを作動させてしまうと、市民が山(火事場)のほうへ避難してしまう恐れがある」と伝えています。

 

ハワイ・マウイ島の山火事と関東大震災の共通点は「火災被害の甚大さ」

 

ハワイ・マウイ島と関東大震災の共通点を1つ挙げるとすれば、それは火災による延焼が人の命を多く奪った点です。関東大震災の約10万人もの人的被害のうち、9割は火災被害によるものです。

 

9月1日11時58分の地震後から同時多発的に火災が発生し、その一部が大規模火災となり、3日の朝まで延焼が続きました。市域全面積の43.6%にあたる34.7k㎡が延焼し、浅草区や神田区、日本橋区などの市街地はほとんど焼失してしまいました。

 

東京駅前の焼け跡、日本橋方面(画像出典:気象庁『「関東大震災から100年」特設サイト』)

 

火災に対応できなかった原因の1つに、断水により消火能力が失われてしまった点が挙げられます。当時、東京には水道につながった消火栓が整備されており、消火のために使用されるものでした。

 

しかし、地震によって水道が断水してしまい、消火栓が機能しませんでした。当時の消防設備は最新のものが使われていましたが、地震と火災の同時発生を想定していなかったため、消防能力は十分に発揮されなかったのです。

 

また、1日の15:30~16:30頃には、東京市本所区横網町の旧陸軍被服廠跡で火災旋風が発生します。

 

炎の渦である火災旋風は、ハワイ・マウイ島の延焼拡大の原因とも言われています。関東大震災においても、地震で発生した火災旋風により、短時間のうちに多くの死者が出てしまいました。

 

このように、地震火災はたちまち多くの人の命を奪います。そのため、企業・団体においても、未然に地震火災を防ぐ防災対策を講じることが求められます。

 

防災行政無線が火災・地震・津波など災害の被害者を減らす

マウイ島の惨事を教訓に、日本の巨大地震発生時においては、企業・団体だけでなく、自治体も適切な防災対策を講じることが求められます。

 

報道内容を見るに、おそらくマウイ島では、日本のように防災行政無線が十分に整備・運用されていなかったことが推測できます。

 

また、マウイ島のようにサイレンだけだと伝わる内容が制限され、誤解を招く恐れがあります。そのため、今回のように、発信をためらってしまう結果になりかねません。

地震や火災、津波などさまざまな災害の被害を軽減するには、モーター音だけでなく、きめ細やかに言葉で伝えることが重要です。また、遠隔から現場の様子を見て取れて、判断・支援しやすいことが、減災のための大前提です。

 

日本では、マウイ島のような林野火災や、建物火災などが発生した場合、近隣で火災が発生していることを知らせる手段として、防災行政無線とサイレンが用いられることがあります。

 

市町村区内に設置された防災行政無線は、住民を火災から素早く避難させるとともに、消防団を招集する役割を担っているのです。

 

マウイ島においても、防災行政無線とサイレンによって島民に火災発生を知らせることができていれば、ここまでの死者数を出さなかったかもしれません。

 

防災行政無線の整備が住民の命を救う

 

火災や地震、津波など災害の被害を最小限にとどめるには、防災行政無線の整備が欠かせません。一方で、防災行政無線は、反響や老朽化による故障などで聞こえづらい場合があるのが懸念点です。

 

そこでテレネットでは、防災行政無線をスマホやタブレットに配信することで屋内でも受信できる「エマージオ」を提供しております。

 

エマージオは、防災行政無線や地域情報なども、住民のアプリに自動配信可能です。住民がもつスマホなどに配信することで、屋内では聞こえにくい防災行政無線も伝えやすくなります。

 

さらに、インターネット普及率が低い70歳以上の高齢者にも「要援護者タブレット」を用意することで対応可能です。画面操作不要で、高齢者にもわかりやすい形で防災行政無線を配信できます。

 

防災行政無線の整備のほか、円滑に住民とコミュニケーションを取りたい自治体様は、ぜひエマージオの導入をご検討ください。

 

エマージオの詳細はこちら

 

切迫する巨大地震に備えて今からできる対策を

今後、数年~数十年の間で、日本では南海トラフ巨大地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝沖地震などの巨大地震が発生すると予想されています。

 

災害大国であることに加え、企業に求められる社会的責任が増す中で、ますますBCP対策の重要性が高まっています。

 

2023年9月1日で、関東大震災から100年。ぼんやりと「地震が来てもうちは大丈夫だろう」と考えている企業・団体様も多いのではないでしょうか。防災対策を講じるかどうかで、人命や事業資産への影響は大きく変わります。

 

BCP対策は、最初から大がかりに進める必要はありません。防災グッスの準備や防災無線機の整備、防災訓練の実施など、BCP対策は小さなことから徐々に始めていくのがポイントです。

 

防災対策を進めていくうえで、重要性を認知すれば、緊急地震速報受信機や防災行政無線の整備なども検討してみるとよいでしょう。

 

関東大震災から100年という節目となる2023年9月1日を機に、今一度防災対策を見直してみてはいかがでしょうか。

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