2025年1月7日

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ソフトバンクの衛星電話「スラーヤ」が通信障害を経てサービス終了。
復旧の見通しが立ちづらい衛星電話の通信障害、その原因とリスクとは

2024年4月16日にソフトバンクの衛星電話サービス「Thuraya(スラーヤ)」で通信障害が発生し、復旧の見通しが立たないまま2024年8月31日にサービスの提供が終了となりました。

 

この記事では、ソフトバンクの衛星電話「スラーヤ」で起きた通信障害について、概要や原因、BCP対策として衛星電話を保有するリスクも解説します。

 

 

ソフトバンクの衛星電話「スラーヤ」で通信障害が発生。 4カ月以上復旧ならずサービスを終了

 

ソフトバンクは、衛星電話サービスとして「スラーヤ」を提供していました。2024年4月16日午前1:30頃からスラーヤがつながらない事態が続き、4カ月以上復旧できないまま、2024年8月31日にサービスの提供が終了しました。

 

通信障害の影響を受けたのは、「88216」で始まる13桁の衛星電話サービス専用番号をもっている利用者で、衛星電話サービスにかかわる音声電話やデータ通信、SMSが利用できない状況でした。さらに、短縮ダイヤルにより警察や消防、救急などへ発信できる「緊急機関接続サービス」も利用できなくなりました

影響エリアは、日本を含むアジア・太平洋地域です。

 

通信障害の復旧目途が立つまで、ソフトバンクはスラーヤの新規受付を停止、また衛星電話を利用できない期間について、ソフトバンクは月額料金の日割りで対応するとしていましたが、復旧ならずサービスの終了に至りました

 

参考:『ソフトバンク衛星電話サービスの終了について(8月1日)

 

 

通信障害の原因はスラーヤ社の設備故障

 

ソフトバンクの衛星電話「スラーヤ」の通信障害の原因は、アラブ首長国連邦のThuraya(スラーヤ)社の設備故障とされています。ソフトバンクは、衛星電話サービスとして、スラーヤ社が提供している衛星通信設備を利用していました。

 

2024年4月15日(現地時間)、スラーヤの衛星「Thuraya 3」のペイロード(撮像や通信、ナビゲーションなどの特定の機能を実行するために搭載されるモジュール)に重大な障害を起こし、通信機能が大幅に低下してしまいました。それに伴い、スラーヤ社の衛星を利用しているソフトバンクの衛星電話サービスが影響を受け、通信障害を引き起こした状況です。

 

Thuraya 3は静止通信衛星で、2008年にボーイングによって製造されました。設計寿命は12年程度とされていましたが、その設計寿命を超えて運用していたようです。現在、スラーヤとボーイングが復旧作業を進めていますが、この通信障害は長期間続く可能性があると伝えられ、ソフトバンクは衛星電話スラーヤのサービスを終了し、Thuraya社は日本での衛星携帯電話サービスから撤退を正式に決定しました。

 

ソフトバンクの衛星電話スラーヤは、4カ月以上という長期に渡り使用できない状態でした。この期間は、災害などが発生※しても、衛星電話スラーヤを使った本部や社内などとのやり取りができませんでした。

 

※2024年4月16日のスラーヤ通信障害発生からサービス終了の8月31日までの間には、6月3日に能登半島地方を震源とするM6.0の地震発生や、8月8日の日向灘を震源とするM7.1の地震が発生し気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を発表。他にも大雨や台風被害などが発生しています。

 

衛星電話は宇宙にある衛星を使って通信できるため、災害によって地上の通信インフラが破壊されても連絡できることが強みです。しかし衛星で故障が起きてしまった場合は、その強みすら失われてしまいBCP対策として機能しなくなってしまいます。

 

 

衛星電話に潜む3つのリスク

 

スラーヤ以外の衛星電話でも、NTTドコモが提供している衛星電話サービス「ワイドスターII」で、2022年10月に通信衛星の設備においてソーラーパネルの発電電力が低下し、サービスが中断される恐れがありました。

 

BCP対策としての利用を想定した場合に、衛星電話には無視できないリスクがあります。

衛星電話の代表的なリスクを3つ紹介します。

 

①電波が直進的なので建物内や都心部では通話できない

 

衛星電話・静止衛星(直進性電波)

 

衛星電話の電波は直進的で、衛星に対してまっすぐ飛びます。建物内は電波が遮られるため、通話する双方がいったん外に出て、衛星の方向に対して衛星電話を向けないと通話できません

 

特に高層ビル内にいる場合、地震に見舞われエレベーターが動かなくなると、外に出るまでにかなり時間がかかってしまいます。

 

たとえ外にいたとしても、都心部のようにビルなどの遮蔽物が多い場所では、電波が遮られ、衛星電話を利用できません。このように、いざという時のための衛星電話も、通信の制限を受けてしまうのが難点です。

※衛星電話も専用アンテナ設置で屋内でも利用可能ですが、設置のための手間と費用がかかるうえ、通話場所は有線配線された固定場所に限定されます。

 

②1対1でしか通話できない

 

衛星電話は、1対1でしか通話できません。災害時のように頻繁な連絡や複数人での情報共有が必要な場合でも、1対1しか通話できないので、何度も通話する必要があります。

 

グループ通話ができれば複数人と同時に通話も可能ですが、通常、衛星電話にはそのような機能がありません。そのため、BCP対策として見ると、衛星電話は機能が不十分と言わざるを得ません。

 

③保守サービスがない

 

一般的に、衛星電話には保守サービスがありません。そのため、故障した衛星電話を修理に出すと、メーカーから戻ってくるのに通常1~2か月程度を要します。ほかにも、通信障害が発生した場合、代替機がすぐに用意されるとは限りません。

 

この間に災害が発生すれば、BCP対策としての備えが無駄になってしまい、通信や情報共有ができないという状況に置かれてしまう可能性があるのです。

 

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衛星電話のデメリットを解消した災害用無線機「ハザードトーク」

 

ハザードトークM1

 

BCP対策として、衛星電話には無視できないリスクがいくつかあります。また、スラーヤのように通信障害が発生すれば、お手元の衛星電話は利用できなくなってしまいます。

 

そこで、衛星電話の代替手段として推奨したいのが、テレネット株式会社が提供している防災機能ワンパッケージ無線機「ハザードトーク」です。衛星電話に比べ、ハザードトークがBCP対策として優れている点を6つ紹介します。

 

ハザードトークの特徴①屋内や地下でも利用可能

 

ハザードトークは、NTTドコモの法人ユーザー専用データ帯域を利用しています。ドコモの電波やまた、Wi-Fi(インターネット回線)でも通話が可能であるため、それらがある場所であれば、どこでも通話可能です。

※災害時にドコモ、au、ソフトバンクの携帯キャリアが垣根をこえて無料開放する、公衆無線LANサービス、00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)でも通話が可能です。

 

また、ハザードトークの電波は、廻りこみ電波です。つまり、衛星電話では難しい屋内や都心部、地下でさえも通話できます。場所を選ばず迅速に通話できるため、BCP対策として優れています。

 

ハザードトークの特徴②災害時でも輻輳しにくい仕組み

 

 

先述の通り、ハザードトークはドコモの法人データ帯域を利用しています。災害時に混雑しやすい一般のデータ帯域も、全ユーザーが共有する音声通話帯域も使っていません。

 

つまり、災害時であっても、スムーズに通話できやすいのがハザードトークの魅力です。

 

通常、大地震などの災害が発生すると、安否確認などで同時に多くの通話がされるため、輻輳(ふくそう)が発生します。輻輳とは、インターネット回線や電話回線などのアクセスが集中している状態で、一般ユーザーには通信遅延や、通信が利用できない状況が発生します。

 

対して、ハザードトークは輻輳しにくいドコモの法人専用データ帯域を利用しているため、災害時であってもスムーズに連絡を取れる可能性が高く、BCP対策として頼れる存在なのです。

 

 

ハザードトークの特徴③グループ通話が可能

 

ハザードトークは1対1だけでなく、グループ通話もできます。衛星電話と異なり、災害時に迅速な連絡が必要な場面でも、一度に効率的な情報共有・情報収集が可能です。

 

実際、警察や消防はグループ通話を活用しており、その理由は情報共有のスピード感を高め、緊急事態でも即時に対応できるようにするためです。情報共有のスピード感を高めるために、グループ通話は必須の機能となっています。

 

さらに、ハザードトークは、緊急時に割り込み通話が可能です。また、通話は自動録音されるので、後から災害の状況を聞き直すこともできます。

 

ハザードトークの特徴④写真や動画、位置情報が共有可能

 

スラーヤなど衛星電話にはない、ハザードトークに搭載されている機能が「写真・動画・位置情報の共有機能」です。ハザードトークでは、災害の現場などの写真や動画を投稿すると、登録したメンバー全員の端末にリアルタイムで共有されます。

 

また、災害現場など撮影した画像・動画をアップロードするとGoogleマップ上に撮影位置が自動で反映されるため、地図上で現場の位置情報を一元管理することが可能です。この際、撮影した写真に緊急度を設定したり、コメントを書いたりすることもできます。

 

さらに、管理者は特定のグループへ指示などのメッセージを送れるようになっています。たとえば災害が深刻なエリアを指定して「二次災害に注意してください」といったメッセージを送ることができ、被害報告から次の行動へ素早く備えられます。

 

この際、管理者は専用の端末を用意する必要がなく、お手持ちのパソコンから状況把握やメッセージ送信などが可能です。写真・動画による情報共有や状況把握をスムーズに行うことができ、BCP対策として優れた効果が期待できます。

 

 

ハザードトークの特徴⑤「端末電池保守」でトラブルが起きた際も迅速に代替機をご用意

 

ハザードトークは、オプションで端末電池保守にご加入いただくと、端末本体の故障時および電池劣化時の電池無償交換に対応しています。仮に故障してしまっても、バッテリーをすぐに交換でき、衛星電話のように利用できない期間が長引くことはありません。

 

ハザードトークの特徴⑥(オプション)「N3アクセス」と併用して通信環境に4重のバックアップ体制を構築できる

 

ハザードトークは、オプションとして「N3アクセス」を追加できます。N3アクセスとは、基本料0円・費用は使った分だけとリーズナブルな、災害用のモバイルルーターです。N3アクセスは「ドコモ」「au」「ソフトバンク」「楽天モバイル」の4つから、その場でもっとも安定しているキャリアを自動で選択します。

 

もし1社の通信キャリアが使えない状態になったとしても、別のキャリアに切り替えるので、災害や通信障害などに強いモバイルルーターとなっています。そのため、通信環境にムラがある地域でも電波をキャッチしやすく、4キャリア分4重のバックアップ体制を築けます。

 

実際、2024年1月1日に発生した能登半島地震被災地の復旧作業では、ハザードトークとN3アクセスの併用により、多くの企業・団体様がスムーズに連絡を取ることができました。

 

どうしても衛生通信をバックアップとして使いたいという企業・団体様には、オプションとして「スターリンク 衛星パック」もおすすめです。スターリンク衛星キット(別売)やソーラーパネル、持ち運び可能なポータブル電源がパッケージされたオプションです。

 

 

まとめ:衛星電話の代替サービス利用の検討も

 

ソフトバンクの衛星電話サービス「スラーヤ」は、スラーヤ社衛星の設備故障により、2024年4月16日から通信障害が続き、復旧しないまま2024年8月31日にサービス終了となりました。4か月以上の間、スラーヤはBCP対策として機能しませんでした。

 

スラーヤはすでにサービス終了し、またNTTドコモの衛星電話「ワイドスターⅡ」は2028年3月31日にサービス終了、新規申し込み受付は2025年3月31日までとの発表がありました。

 

この機会にぜひ衛星電話から、災害に強い防災機能ワンパッケージ無線機「ハザードトーク」への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

 

無料のデモ機貸し出しも行っておりますので、気になる方はぜひ実際の通話品質や操作性を体験してみてください。

 

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