2026年2月16日
トカラ地震から学ぶ、群発地震特有の累積するリスクと通信BCPの重要性
2025年6月からトカラ列島近海にて連続で発生した地震が、記憶に新しい方も多いと思います。この地震活動は、日本の防災やBCPの在り方に新たな課題を突き付けました。
トカラ地震の最大の特徴は、限られた地域で短期間に数十回〜数百回以上
「群発地震」であるということです。
一度の巨大地震の対策ではカバーできないリスクも見えてきました。
特に深刻になるのが通信インフラへの影響です。繰り返される揺れによる設備の疲労、復旧作業の停滞、慢性化する通信輻輳など、さまざまな要因が災害対応を妨げてきます。
本記事では、トカラ地震の教訓から、群発地震がもたらす通信リスクを浮き彫りにするとともに、ハザードトークシリーズの有効性について、BCPの観点から詳しく解説します。
目次
トカラ地震の特異性。群発地震が突きつける現実
2025年6月以降、鹿児島県の十島村周辺を震源として継続して発生しているトカラ地震は「群発地震」と呼ばれ、一般的に話題になりやすい「巨大地震」とは異なる性質を持っています。
一般的な地震では本震があり、その後に余震が起きて徐々に減衰していきます。一方、群発地震では、前震・本震・余震の区別がはっきりせず、大小の地震が不規則に発生し、活動の増減を繰り返しながら収束するため、収束予測が困難です。

出典:気象庁)令和7年6月21日からのトカラ列島近海(小宝島付近)の地震活動について
気象庁の統計によると、2025年6月21日08時~10月10日10時までで震度1以上を記録している地震は2000回を超えました。
トカラ地震の発生回数表
| 震度 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5弱 | 5強 | 6弱 | 合計 |
| 回数 | 1568回 | 580回 | 161回 | 52回 | 4回 | 3回 | 1回 | 2369回 |
参照)トカラ列島近海の地震の最大震度別地震回数表(2025年10月 気象庁発表)
このように終わりの見えない地震は、心理的負荷のみならず、インフラにも大きな影響を与えます。
企業や自治体においては、巨大地震のような「点」の対応だけではなく、長期間にわたる揺れという、時間軸の長い負荷を乗り越える、「線」での防災計画、BCP計画が求められます。
繰り返す地震の脅威。
長期的な活動から見る組織のリスク管理
群発地震の特徴を説明しましたが、繰り返される揺れによる真の脅威は、「累積疲労」というキーワードです。
巨大地震では大規模な倒壊をイメージしやすいですが、群発地震では揺れによるダメージが蓄積されていきます。
日本の通信用の電柱、公共設備などのインフラ設備は高い耐震性で設計されています。しかし、それは「一度の大きな揺れ」を想定した設計であり、数千回に及ぶ繰り返しの振動までは考慮されていないことが多くあります。
上記の表でも示した通り、小さな揺れであっても、数百回、数千回と繰り返される群発地震では、設備に対して軽微な疲労が蓄積していきます。この累積疲労により、小さな揺れでも設備の損傷や通信回線の遮断など、「時間差によるインフラの損壊」に繋がるのです。


左図:M2.5以上の地震発生回数の図。過去の地震よりも発生回数が多い
右図:同一エリアにおいて地震発生が集中している
出典:トカラ列島近海の地震活動の評価(令和7年7月9日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会)
そして、長期的に見たときに深刻になるのが復旧の障害です。通常の地震であれば、本震後の地震活動を予測し、安全を確認した後に本格的な復旧作業が始まります。通信でいうと、損傷個所の把握や断線の修理、仮設の基地局設置などを行います。
しかし、群発地震では揺れが絶え間なく続くため、作業員の安全が確保されない可能性があり、復旧作業自体が遅れることが予想されるのです。
群発地震は、一度通信が断絶してしまうと、復旧まで時間がかかるなど、通信ができなくなる空白期間が続くリスクを孕んでいます。
これは企業(団体)活動や自治体活動にも大きな影響を及ぼします。
実際に、十島村の地震対策には以下のように明記されています。
[通信]
- 揺れなどの影響によって、十島村では固定電話の数回線が不通となる。
○ この影響で固定電話幹線の不通や、停電の影響による携帯電話の基地局 が停波し、十島村ではいくつかの局で停波する。
○ 通信ネットワークが機能するエリアでも、大量のアクセスにより輻輳が 発生し、音声通信やデータ通信がつながりにくくなる。
引用元:十島村地域防災計画 地震災害対策編
BCPにおいて、不測の事態が発生した際、状況を正確に判断し迅速な対応をしていくことが求められます。地震が続く中で適切な意思決定をしていくためには、特に新しい情報の取得や、情報共有、状況把握が重要です。複数の通信回線を用意しておくことが、解決への道筋になるでしょう。
慢性的な通信輻輳が招く組織のダメージ
物理的なインフラ設備へのダメージのほかにも、検討しておくべき課題があります。それが通信輻輳の常態化です。
発生する揺れのたびに、安否確認や状況報告のために通信量が著しく増加しやすくなります。災害時には、ネットワークがダウンしないように、一般データ帯域に通信制限が設けられることがあります。
数千回の地震を観測するような群発地震においては、この通信制限が断続的かつ長期間にわたって行われる可能性があります。このような慢性的な通信制限は、企業活動にも響いてきます。

通信アンテナのイメージ
具体的に予想される弊害
・不確定な情報での意思決定
災害時において何よりも重要なものは現場の最新情報です。被害の全貌を把握することで、次の打ち手を決めることができます。その際に、通信が輻輳していると被害状況の共有が困難になり、正確な状況を把握できないまま避難指示や事業判断をする必要があります。
・現場の連携が寸断
本部からの指示がスムーズに届かないことや、安否確認の反応も正確にキャッチできない可能性があります。また、意思決定フローでもスムーズな連携が取れないことで情報が詰まってしまうことも予想されます。
群発地震において、通信輻輳が起きている状態は、組織運営上では「繋がっていない」のと同義と言ってもいいでしょう。長期間の影響を受ける群発地震だからこそ、混雑する通信を回避し、安定した通信手段を持っているかどうかが、災害時における組織の回復力を決定づけることになります。
戦略的通信BCPの最適解。ハザードトークという選択
ここまで説明してきた群発地震がもたらす「累積的な損傷」と「慢性的な通信輻輳」という二つの脅威について説明しました。これらの対策をしていくには、従来のスマートフォンや衛星電話では限界があります。
そこでおすすめなのが、テレネットが提供しているハザードトークシリーズです。
ハザードトークには、「M1」と新機種である「ZR」が選択でき、本章ではそれぞれの特徴とおすすめする理由を解説していきます。
- ハザードトークシリーズの特徴
ハザードトークとは、災害時の通信手段確保と迅速な情報共有に特化した、防災機能ワンパッケージ無線機です。

ハザードトークシリーズ
特徴① 繋がりやすい法人専用データ帯域を使用
ハザードトークは、NTTドコモの法人専用データ帯域を使用しているため、混雑しやすい一般データ帯域とは別の契約している法人専用の帯域で通信可能。これにより群発地震特有の慢性的な通信輻輳の懸念を解消します。また、発信規制が行われたとしても、音声データを小さく軽いパケットデータに変換して送受信を行うので、送受信時の負荷が軽く、災害時でも安定した繋がりやすさを提供します。
さらに、災害時に発動される「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」になどWi-Fiによる通信も可能です。
特徴② 屋内・屋外・悪天候問わず繋がりやすい
直進性電波の衛星電話が、空が開けた場所でないと繋がらない(ビルが多い都心部や屋内、雨雲や雪雲が空を覆っているなどの場合は繋がらない)という大きな難点を、ハザードトークは解消。上述のように、NTTドコモの回線を使用しているため、エリアや天候を問わずに屋内外やビル陰などどこにいても繋がりやすい通信環境を構築しています。
災害時において、「通信場所を選ばなくてよい」ということは非常に重要です。
特徴③ 現場の状況を簡単に見える化
ハザードトーク利用者の端末間で、各現場の状況を簡単に共有できます。画像だけではなく、動画・位置情報をリアルタイムで一斉共有可能。管理画面では、自動的にGoogleマップに反映され、時系列表示のほかに、重要度やインシデント別でも情報をソートできるため、どこで何が起きているのか一目で情報がわかり、適切な意思決定をサポート。被災状況をいち早く整理できることで、初動対応に大きなメリットとなります。
また、ハザードトークは1対1の通話だけでなく、グループ通話にも対応しているため、情報を必要とするメンバー全員に向け、情報をいち早く共有できます。
特徴④ N3アクセスでさらに繋がりやすい
オプションとして提供している、「N3アクセス」を利用すれば、さらに繋がりやすい環境を構築できます。N3アクセスは、国内大手4キャリア(docomo、au、Softbank、Rakuten Mobile)のすべてに対応しており、電波が強いキャリアを選んで自動で切り替えて接続します。月額基本料金は0円で、費用は使った分だけ。ハザードトークとの同時使用で安定した通信確保に貢献します。
- ハザードトークM1について

ハザードトークM1
①デュアルSIMで通信をさらに冗長化
ハザードトークM1は、NTTドコモの法人専用データ帯域に加えて、Softbank回線も加えられるデュアルSIMを採用。
万が一、NTTドコモの基地局が損傷しても、Softbank回線に切り替わるため、回線の障害児の通信を冗長化。安定した通信環境を提供いたします。
②外線発信が可能
050プライムを使ってハザードトーク同士だけではなく、通常の電話と同じように携帯電話や固定電話、全キャリアの衛星電話とも通話を行うことができます。050プライム同士は通話料無料。また、通常のスマートフォンのように、090、080、070番号での通話も可能です。
③スマートフォンライクな大画面とわかりやすいUI
ハザードトークM1は、普段から使い慣れているスマートフォンと同じような操作性を実現。大画面でわかりやすく、どんな方でも直感的な操作が可能です。
災害時は混乱する場面だからこそ、視認性に優れた大画面により、快適かつ確実捜査官を実現しています。
- ハザードトークZRについて
ハザードトークに新シリーズが登場!
ハザードトークZRは、ドコモの法人専用データ待機使用による繋がりやすさや、画像・動画・位置情報の共有機能、エリアメールよりも早いタイミングで災害発生情報を得られる機能などはそのまま、M1よりもさらにコンパクトになり、より過酷な環境にも対応します(IP68、-⒛~60℃に対応。寒冷地での利用の際も安心です)。また、アナログボタンも採用し、雨天時や手袋装着時でも操作がしやすくなりました。また、チャットや映像通話、SOS発信、2.5W大音量スピーカー搭載など、新たな機能も追加されています。

ハザードトークZR
①専用クレードルを完備。バッテリー交換も可能に。
ハザードトークZRは、専用クレードルがあるため、充電がさらに容易になりました。また、懸念だったバッテリーも交換が可能になり、利便性がさらに向上。本体充電をしていないときは交換用のバッテリー(オプション)を充電しておくことで、停電時でもさらに安心してご利用いただけるようになりました。
②より過酷環境にも対応
動作温度範囲は-20℃~-60℃に対応し、M1と比較して±15℃の範囲が拡張しました。
災害時は、普段以上に過酷な環境になります。いざという時にこそ使える準備を整えておくことが重要。
③チャット・映像通話機能を追加
ハザードトーク同士、また管理者とのやり取りをよりスムーズにし、情報整理がしやすくなりました。視覚的な情報と、記録に残るチャット機能を併用することで、現場間の認識齟齬が生まれるリスクを低減します。
④SOS発信ですぐに呼びかけ
いざという時に、SOSボタンを長押しし、救助を呼び掛ける機能も搭載。ワンタッチでSOS発信できるため、1分1秒を争う緊急時でも連絡の確実性を高めています。
⑤車両の位置管理が容易に。
車両の場所・走行方向・時速など一元管理できます。
端末の位置をGoogle Map上に表示し、移動中の速度・方角・住所など、現状を簡単に可視化。現状把握が容易になることで、適切な意思決定をサポートします。
- 比較表
ハザードトークM1とZRの主な相違点を比較表に集約しております。ニーズに合わせた選択が可能になりました。

ハザードトークシリーズ比較表
詳細なご説明をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
不確実な時代に求められる通信の確実性を確立する。組織が選ぶべき一手。
トカラ地震が示した群発地震の脅威は、一度の破壊で終わらない、「累積するリスク」にあります。繰り返す揺れにより通信設備を疲弊させ、復旧作業を拒絶し、慢性的な通信輻輳が組織活動を麻痺させてしまいます。
「直せない、繋がらない」という状況を打破するのが、ハザードトークシリーズによる通信の堅牢化です。
万が一の災害の時こそ、情報共有による意思決定並びに、現場での判断も重要になります。設備の損傷に左右されず、即座に共有・判断できる機動力を確保すること。それこそが未曾有の事態を耐え抜き、未来につないでいく手段となります。
ハザードトークシリーズは、無料のデモ機貸し出しを実施しております。使いやすさはホームページやパンフレットでは体感できません。ぜひこの機会にご利用ください。
無料デモ機は下記リンクよりお申し込みください。
>ハザードトーク「M1」の無料デモ機お申し込み
>ハザードトーク「ZR」の無料デモ機お申し込み
その他、導入事例も多数ございます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
>防災機能ワンパッケージ無線機「ハザードトークM1」の詳細はこちら
>新登場!災害に強いコンパクト無線機「ハザードトークZR」の詳細はこちら
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