2025年7月15日

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公共安全モバイルシステム
(旧:公共安全LTE(PS-LTE))とは?
メリット・デメリットもご紹介

 

「公共安全モバイルシステム」(旧:公共安全 LTE (PS -LTE))は、総務省により推進されている通信システムです。

 

このコラムでは、「公共安全モバイルシステムとは?」「メリットやデメリットは?」という疑問点について、解説いたします。

 

 

公共安全モバイルシステムとは?

 

日本に先駆け、2019年からアメリカで導入されたPS-LTE(Public Safety LTE。アメリカでは「FirstNet」と呼ばれる)は、公共安全機関(警察、消防、救急など)が利用するLTE通信網です。

その背景として、2001年にアメリカで発生した9.11同時多発テロを機に、消防や警察など複数の公共安全機関の間で、それぞれが異なる無線システムを使用していることによる、情報共有の課題が認識されたことが挙げられます。

 

日本でも、警察や消防などの公共機関は、各省の組織ごとに通信設備を整備し、個別に運用していました。
異なるシステムを使用することの課題を改善すべく、2017年より「公共安全LTE(PS-LTE)」導入に向けた検討が本格的に開始され、警察、消防・救急、国土交通、防衛、防災などの関係省庁・関係機関が共同で利用できるシステムとして、検討が進められてきました。

 

2019年度からは、総務省が実現に向けた取り組みを進めており、LTEよりも高速な通信が可能な5G NSAエリアの拡大に伴い、2023年12月5日から、より一般的な「公共安全モバイルシステム」の呼称に変更されました。

 

 

公共安全モバイルシステムのメリット

 

公共安全モバイルシステムに期待されているのは、災害時などの緊急時でも、警察、消防・救急、自治体などの公共機関が、相互の円滑な情報共有と通信を確保することで、被害の拡大を防止し、国民の安全・安心に貢献することです。

 

そのため、下記のように通信の冗長性と、複数の公共機関によるシステムの共同利用などがメリットとして挙げられます。

 

1.マルチキャリア対応

 

単一の回線契約で2回線を提供。複数の携帯キャリア回線が使用できるため、通信の冗長化が図れ、1キャリアが繋がらなくても、もう1つのキャリアが繋がる可能性があります。

 

2.専用コア設備を用意

 

一般携帯電話網から独立したデータ通信専用の基幹網(コア設備)を、複数箇所に用意。
各携帯キャリアの基地局より先の通信においては、災害時などの輻輳(ふくそう)の影響を受けにくい構成が想定されています。

 

※端末から基地局までの間は、一般回線と同じ携帯キャリア網を使用するため、発災直後やイベント時などは混雑のリスクがあります。

 

PSMSネットワーク構成例イメージ

公共安全モバイルシステムのネットワーク構成(例)

 

※上図は総務省 「公共安全モバイルシステムについて
 ~災害発生時等における非常通信の確保と公共安全モバイルシステム~ 令和5年12月」より引用

 

 

3.災害時優先電話

 

災害等で電話が混み合うと、発信規制や接続規制といった制限がされますが(大規模災害時は約90%以上の制限が行われることがあります)、優先電話からの発信は優先されます。

 

ただし、あくまで発信を「優先」扱いするもので、必ず繋がることを保証するものではないうえ、優先電話への「着信」は、通常電話と同じ扱いになるため、注意が必要です。

 

4.平時は携帯電話として使用可能

 

災害用通信手段は、災害の時だけ使用すると、使い方に戸惑うケースもあり、日常から触れておくことが推奨されますが、公共安全モバイルシステムでは、携帯キャリア網を使用するため、普段からスマートフォンとして使用することができ、操作に慣れておけます。

 

 

公共安全モバイルシステムのデメリット

 

1.設備コストが高い

 

標準化された技術を利用することで、機器の低コスト化も公共安全モバイルシステムの狙いの1つだったのですが、実際は「災害時優先通信」や「マルチキャリア対応」など、特別な要件に対応する端末・SIMが必要(標準端末では不十分)であり、また、専用VPN、閉域網、セキュリティ管理体制など、民間では不要な構成が必要となります。

 

つまり、公共機関に求められる信頼性・冗長性・セキュリティ基準を満たすために、結果として民間向け以上のコストが国や自治体にかかっているのが実態です。

 

2.優先接続は音声通話のみ

 

公共安全モバイルシステムの優先接続機能は音声通話に限られており、データ通信は現状、優先手段がありません。

また、音声通話についても、前述のように発信は優先されますが、着信には優先が適用されず、通常の電話と同様の扱いになります。

 

 

公共機関以外の企業・団体の通信はどのように守る?

 

公共機関での情報共有と通信の確保は、上記のように、政府が公共安全モバイルシステムを推進していますが、企業での利用は、「総務大臣が指定する機関(平成21年総務省告示第113号)」に限られ、事前に業務内容や使用用途などの申請が必要となります。

 

★公共安全モバイルシステムのSIMをご利用になりたい場合は、テレネットがご提供可能です。
ただし、必ずしも全従業員の携帯で使えるわけではなく、災害対策に関わる方のみに限定され、事前に申請・審査が必要となりますので、あらかじめご了承ください。

 

一方で、上記に該当しない企業様・団体様でも、いざという時に情報共有や通信がうまく機能しないというリスクは、同様に起こり得ます。

BCP(業務継続)の観点から、そして従業員を守るためにも、情報共有や現状把握ができ、災害時にも繋がりやすい通信手段の確保が大切です。

 

テレネットの災害用に特化した防災機能ワンパッケージ無線機「ハザードトーク」は、多くの自治体様、企業・団体様に、災害時用通信手段としてご選択いただいています。

 

その特徴は、災害時でも繋がりやすく、災害時の情報共有・状況把握の機能が豊富であることです。

 

【ハザードトークの主な特徴】

● NTTドコモの法人専用データ帯域を使用し、音声を非常に軽いデータに変換して通信を行うため、輻輳の影響を受けづらい

 

● NTTドコモとソフトバンクのデュアルSIMに対応。2キャリアで通信を冗長化
また、オプションで基本料0円の4キャリア自動切換えモバイルルーター「N3アクセス」を併用いただければ、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの大手4キャリアの中から
最も電波状況の良いキャリアの回線に自動的に接続。1台で4重のバックアップになります。

 

● ハザードトークは耐災害性のため、9秒に1度基地局に自動アクセスし、セッションを張ってNTTドコモの通信網に入りやすくしているため、無線通話開始時に回線接続の待ち時間がかかりません。PPTボタンを押してすぐに通話が開始できます。

 

● グループ通話機能により、複数人への一斉連絡が可能です。また、無線通話は自動録音ができ、離席時や聞き直しにも便利。グループ通話はグループ会社や取引先など、他社間でグループを組むことも可能です。

 

● 写真や動画を撮影し投稿するだけで、位置情報も伴い、簡単に端末間での相互情報共有や各地点の状況可視化が行えます。もちろん管理画面からも、各現場の状況を俯瞰で確認し、状況把握や指示出し、対応の優先順位付けが容易になります。(国土交通省NETIS登録技術)

 

● エリアメールより早く、現在居る地点の災害情報をお知らせする機能も搭載。(特許取得済み。国土交通省NETIS登録技術)
『揺れるまでに5秒あれば、予告なしの時に比べて80%死傷率が軽減できる』との研究 (出典:東京大学生産技術研究所目黒研究室のレポート『緊急地震速報導入による社会へのインパクト』)があります。
揺れまでの時間と予測震度、揺れまでのカウントダウンを画面だけでなく、音声でも通知し、避難行動の猶予時間を1秒でも長く確保します。

 

● 平時はスマートフォンとして使用可能。
080、090などの電話番号や、050プライムでの通話も可能
です。デザリングや業務用アプリのインストールもOKです。現在お使いの電話番号を引き継ぐこともできます。
※「ハザードトーク」M1は、TeamsやZoomなどのアプリ使用に一部制限がございますが、今秋発売予定の新機種では、それらもご使用いただけます。

 

● 地震速報と連動した安否確認システムも搭載。配信条件を事前に設定でき、地震速報などと連動して自動で指定エリアの従業員やご関係者の安否・状況確認を配信し、簡単に自動集計されます。また平時のアンケートツールとしてもご活用いただけます

 

災害時の通信手段を選択される際は、通話だけではなく、迅速でスムーズな情報共有の手段として有用かという点も、ぜひ併せてご確認ください。

 

ハザードトークM1

災害に特化して開発された「ハザードトーク」

 

災害時にも繋がりやすい防災機能ワンパッケージ無線機
 「ハザードトーク」の詳細情報はこちら

 

「ハザードトーク」の無料デモ機貸し出しはこちら

 

お問合せはこちら

 

Coming Soon!
ハザードトークに公共安全モバイルシステム対応機種登場!

 

公共安全モバイルシステムが推進されている背景にあるのは、災害時など緊急対応が必要な場合の通信と、そして情報共有ができる環境確保の重要性です。

 

災害に特化して開発したハザードトークは、通話の確保のみに留まらず、グループ通話や写真・動画・位置情報の共有など、災害時に必要な情報共有と状況把握ができる機能が満載です。

 

2025年秋に発売予定のハザードトーク新機種は、豊富な防災機能を引き続き搭載するうえ、公共安全モバイルシステムに対応します。

 

タフな躯体や、豊富なアクセサリー(単独/連結チャージャーやスピーカーマイク、イヤホンマイクなど)が魅力で、平時のスマートフォンとして利用する際の機能性も、さらに進化

 

 

ハザードトーク新機種イイメージ

豊富なアクセサリー

ハザードトーク新機種 ※イメージです
アクセサリーも豊富に準備予定

 

ぜひご期待ください!

 

ハザードトーク新機種についてのお問い合わせはこちら

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