2022年5月10日
南海トラフ地震とはどんな地震か、いつ来るか、想定される被害状況
日本は地震大国であり、阪神淡路大震災や東日本大震災などでは多くの被害に見舞われました。今年3月には宮城、福島の両県で震度6強の地震が発生しています。さらに、今後発生するとされている「南海トラフ地震」では、東京を含む都市部に大きな被害をもたらす可能性があるとされています。
そこで今回は、南海トラフ地震の概要や発生確率、被害予想、いつ起こるのかなどについて解説します。
目次
南海トラフ地震とは
南海トラフとは、日本列島の大陸のプレートの下に海洋プレートであるフィリピン海プレートが南側から重なっている場所を指しています。この海洋プレートは年間数センチ程度下方向に沈み込んでおり、ひずみが限界に達して跳ね上がったときに地震が発生すると予想されています。これが「南海トラフ地震」です。
政府の中央防災会議によると、最大級の南海トラフ地震が発生した場合の被害予想や発生地域が公表されています。今回は、この公表内容をもとに、南海トラフ地震の概要について解説します。
南海トラフ地震の発生地域と発生確率
中央防災会議が想定した、最大級の南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7の地震が発生する恐れがあり、隣接する周辺地域の広範囲では震度6強から6弱にまでなると想定されています。
さらに、関東地方から九州地方では、太平洋沿岸の広範囲で10mを超える大津波の襲来が想定されています。
このような最大級の地震が発生した場合、多くの死傷者も予想されます。
南海トラフ地震はいつ起こるのか
政府の地震調査員会が2020年1月24日時点のものとして公表した資料によりますと、マグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率は70~80%であるとされていました。しかし、直近の2022年1月13日には40年以内の発生確率は90%に引き上げられ、かなりの高い確率で地震が巨大地震が起こることを想定しました。
読売新聞|南海トラフ巨大地震、40年以内の発生確率「90%程度」に引き上げ
予期せぬ災害に備えるなら「ハザードトーク」「ハザードプロ」
テレネットでは、今後予想される南海トラフ地震のような自然災害に備えて、2つの防災製品を提供しています。
1つめは、建物用緊急地震速報受信機の「ハザードプロ」です。ハザードプロは、テレビや緊急速報メールよりも早く、地震の発生を検知して発報します。ハザードプロで地震の発生を前もって知り、すぐに身を保護する行動を取ることで、命を守ることにつながります。基準震度も自由に選択できるものですが、 1台当たりの月額の利用料金も保守料込みで5,000円と安価で、官公庁や大手企業をはじめ全国のいたるところで導入されています。導入実績は3,000件以上です。
地震や津波等での「安全避難」を実現させるためには、巨大地震時にも「負傷しないこと」が大前提です。地震時に落下物や倒壊物で負傷すれば、それだけ避難が遅れてしまい、最悪の場合間に合わない可能性も出てきますが、負傷がなければ、ほぼシミュレーション通りの避難ができます。その助けが緊急速報メールより早くわかる「ハザードプロ」なら可能です。
2つめは、緊急災害用無線機「ハザードトーク」です。ハザードトークは、災害に強い防災専用無線機です。法人専用のデータ通信帯域を使用するため、災害時でスマホや携帯電話・固定電話が混み合う状況でもスムーズに通話できます。
2016年公表の情報通信国際戦略局(事務局)による資料によると、南海トラフ地震による固定電話の不通は約930万回線、携帯電話の不通は被災直後に多くの地域で発生すると予想されています。
南海トラフ地震で想定される被害は?津波予想は?
南海トラフ地震では、死傷者数や津波被害の予想がなされています。
南海トラフ地震の被害予想
南海トラフの巨大地震が発生すると、各地を激しい揺れが襲うと予想されます。関東から九州で最大30の都府県が被害見舞われ、揺れ、火災、津波により、死者数が32万3000人、238万棟あまりの建物が全壊や焼失すると推計されています。
また、地震発生直後から1週間の間で、避難所や親戚の家などに住まざるを得なくなる人は最大950万人と推計されています。
さらに、インフラの被害により食料の不足はおよそ9600万食にものぼるとされています。
南海トラフ地震の津波予想
国の中央防災会議によると、南海トラフ地震により、関東地方から九州地方までの太平洋沿岸の広い地域で10メートルを超える大津波が襲来することが予想されています。
特に、高知県黒潮町と土佐清水市では34メートル、静岡県下田市で33メートルと非常に大きな津波が生じる恐れがあります。さらに、20メートル以上の津波も四国から関東にかけての23市町村で発生すると見られており、甚大な被害が予想されます。
なお、気象庁では、3メートル以上の津波で住宅の流失がはじまるとしています。このことから、人への被害のみならず、住宅地の家屋への被害も懸念されています。
南海トラフ地震臨時情報では事前避難への対策も
「 南海トラフ地震臨時情報」とは、甚大な被害が出ることが予想されている南海トラフ巨大地震が発生する可能性が高まっていることを事前に知らせる仕組みで、2019年から国が導入している仕組みです。
臨時情報には「調査中」「巨大地震注意」「巨大地震警戒」「調査終了」という4種類の情報があり、それぞれで対応が異なります。
中でも「巨大地震警戒」情報が出たときは、被害が予想される地域住民が速やかに避難することが求められています。
地震による津波が発生した場合、周辺住民の多くは直前の避難では間に合わず、甚大な被害を受けてしまう恐れがあります。実際、東日本大震災では多くの住民が津波の直前に避難を試み、被害に遭っています。
そこで、臨時情報が発信されて1週間以内に事前避難ができるよう、市町村の防災意識を高めることも重要な課題です。
最近では、愛媛県愛南町が津波被害に備え、「事前避難」の呼びかけで。6,600人程度の住民を各避難所に避難させることを決定しています。
大分・宮崎の震度5強地震と南海トラフ地震の関連性
2022年1月22日午後1時、日向灘を震源とする地震が発生しました。この地震は大分・宮崎で震度5強となる大きな地震となり、施設の閉鎖や道路のひび割れなど、人々の生活に影響を与えています。この時、揺れる11秒も前にハザードプロはP波(初期微動)を検知しました。これは大分市内のユーザー様の動作履歴から分かりました。いち早く揺れを知ることは身の安全を守る避難初動につながります。
今回の大分・宮崎地震は、南海トラフ地震の震源地と同一の地域からの比較的大きな地震であり、南海トラフ地震との関連性が指摘されています。
一方で、今回の地震では南海トラフ地震臨時情報は発信されていません。
南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ全域を対象とし、地震発生の可能性が高いことを知らせるものです。南海トラフ地震の震源地と想定される地域でマグニチュード6.8以上の地震が観測された場合、南海トラフ地震臨時情報が発表されることになります。
今回の地震はレベル1、「調査中」を発表する一歩手前だったとのことですが、今後も同規模以上の地震に備えて万全な備えをするべきでしょう。
南海トラフ地震への対策には「ハザードトーク」「ハザードプロ」
南海トラフ地震では、地震による揺れにより家屋や建物に被害が生じる恐れがあります。建物用緊急地震速報受信機の「ハザードプロ」であれば、テレビやラジオよりも早く地震の発生を検知し、知らせてくれるため、避難への時間を最大限確保することができます。
また、緊急災害用無線機「ハザードトーク」は、専用のデータ通信帯域を使用するため、災害時でスマホや携帯電話・固定電話が混雑している状況でもつながりやすい無線機です。
「ハザードトーク」「ハザードプロ」は、全国の多くの自治体や企業でご利用いただいています。今後高い確率で起こるとされている南海トラフ地震に備え、防災対策、BCP対策として導入を検討してみてはいかがでしょうか。