2025年10月2日

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MCA無線の特徴、メリット・デメリットの振り返りと、代替選びで失敗しないための代替策を解説

 

MCA無線について、MCAアドバンスサービスは2027年3月31日(水)、デジタルMCA(mcAccess e)サービスは2029年5月31日(木)で終了がアナウンスされています。

 

業務用無線機として活用されてきたMCA無線のサービス終了は、これまでの課題を解決し、より有効な災害時通信手段へとアップデートする機会と捉えることもできます。

 

このコラムでは、MCA無線をご使用中の皆様や、災害時の通信手段としてMCA無線の導入を検討されていた、「後継となるサービスを探しているが、何を選べばよいか分からない…」とお悩みの皆様に向け、MCA無線の特徴やメリットとデメリット、サービス終了までに留意すべきこと、代替サービスのご選択について解説してまいります。

 

 

MCA無線とは?

 

MCA無線(Multi-Channel Access 無線システム)とは、一般財団法人移動無線センター(MRC)が提供している業務用無線です。
多数の利用者で複数チャネルを共同利用するシステムで、中継局と管制でチャネルを割り当て、グループ通話や一斉呼び出し、個別呼び出しが可能。
日本の自営無線として、北海道から沖縄をカバーする広域網が整備されてきました。

 

MCA無線には、「デジタルMCA(mcAccess e)」と「MCAアドバンス」の2つのサービスがあります。

 

デジタルMCA(mcAccess e)

 

デジタルMCAは、800MHz帯を使った自営型のデジタル無線です。
グループ通話や一斉呼出といった業務無線らしい機能が充実しています。
ただし、自営網だけでは山間部やトンネル、建物内で電波が届きにくいことがあり、その弱点を補うためにドコモのLTE/3Gを重ねた「mcAccess e+」が用意されています。

 

デジタルMCAのサービスは、2029年5月31日に終了することが発表されており、新規の申込受付も2023年5月31日で終了しています。

 

 

MCAアドバンス

 

MCAアドバンスは、LTE方式をベースにした自営無線です。自営網とドコモLTE網を組み合わせることで、通信可能なエリアを広げています。こちらはスマホ型端末を採用し、音声通話だけでなく、写真やGPS、データ通信なども利用可能となっています。

 

MCAアドバンスのサービスは、2027年3月31日の終了が発表されています。

 

 

MCA無線のメリット、デメリット

 

自営網であることから、一般の公衆網の輻輳の影響を受けず、災害にも強いと言われてきたMCA無線ですが、メリットもあればデメリットもあります。その両方を振り返ってみましょう。

 

MCA無線のメリット

 

●MCA無線は基地局がある広域で無線通信が可能
MCA無線機専用の中継局を活用することで、広域で無線通信を行うことが可能です。中継局をつなげれば、北海道から沖縄まで全国で通信をすることができます。

ただし、中継局がないサービスエリア外の地域も多くあり、ご自分の使いたいエリアでは使えるかどうか、事前に確認が必要です。

 

●MCA無線は混信や盗聴の可能性が低い
MCA無線で通信を行う場合、中継局で利用者ごとにユーザーコードが割り当てられます。中継局では、同じユーザーコード同士でのみ無線通信を行うように設定されているため、広域での無線通信時も混信や盗聴の可能性が低いです。

 

●業務用無線としての機能を備えている
業務向けに、個別通信のほかにグループ通信や一斉通信、2つのユーザーコードで同時待ち受けができるなどの機能を備えており、長距離トラックへの車載など、移動の多い業種で愛用されてきました。

 

MCA無線のデメリット

 

●免許や制度上の制約がある
MCA無線は「業務用無線局」として総務省の免許が必要です。免許は5年ごとの更新が求められ、免許人(利用者企業)自身での管理・申請が欠かせません。

 

特にデジタルMCAは2029年5月31日でサービス終了が決まっており、再免許時には免許状に「使用期限」が附款として明記されます。(詳しくはこちらをご覧ください)

 

MCAアドバンスも2027年3月31日終了が公表済みで、長期利用を前提とした投資が難しい状況です。つまり、「制度面の縛り」と「サービス終了リスク」を常に念頭に置く必要があります。

 

●カバーするエリアの限界
MCA無線は自営網の強みとして「災害時に公衆網に依存しない安定性」がありますが、一方で電波エリアには物理的制約があります。
山間部やビルが立ち並ぶ都市部では無線通信がつながりにくいところもあり、また、契約している中継局がカバーしていないエリアでは通信ができず、また中継局がないサービスエリア外の地域も多く、注意が必要です。

 

そして、MCA無線の中継局は1つで直径30Kmなど、広範囲をカバーしているので、災害時に中継局が停波してしまうと、辺り一帯がサービスエリア外となってしまい、かなり移動しないと隣接中継局の電波を拾うことができないというリスクもあります。

 

●導入・運用コスト
一般的な携帯電話に比べて、初期導入費(端末・車載機・アンテナ工事など)や月額利用料が割高になりやすい傾向があります。
また免許申請・更新、無線設備の管理など、専門担当や外部委託コストが発生しやすくもあります。

 

●サービス内容の不足
デジタルMCAは、屋内では通信が繋がりづらい※ため、発着信のタイミングで外に出なくてはなりません。また、限られた周波数を多くのユーザーで共有するため、1回の通話時間が3~5分に制限されています。写真や動画の共有などもできません。

 

MCAアドバンスは、それらの欠点が改善されていますが、ドコモの電波が通じにくくなった場合は、やはり屋内では繋がりづらくなってしまいます。

災害時の情報共有や現状把握に欠かせない、写真・動画の共有についても、端末と管理画面間での共有はできるものの、端末間の共有ができないため、現場同士の連携が取りづらく、また管理画面の閲覧には専用のPCが必要となるなど、不便な点があります。

 

※専用アンテナを設置することで、MCA無線の屋内での通信を可能にすることはできますが、有線で配線されるため通信を行える位置が固定され、屋内を移動しながらの通話は難しくなります。

 

●サービス終了を見据えた移行の必要性
デジタルMCA、MCAアドバンス共にサービス終了期日が定まっているため、中継局のメンテナンスや端末供給、修理サポートなどが段階的に縮小していく傾向が予想されます。

 

このことから、長期運用中に「通信が繋がりづらくなった」「故障時の代替端末が入手できない」といったことが起きる恐れがあり、早目の災害時通信手段の見直しと切換えをおすすめいたします。

 

 

MCA無線のサービス停止までに行うべき4つのステップ

 

サービスが完全に停止するまでに、まだ時間があるように思えるかもしれません。
しかし、代替サービスの選定、予算確保、導入、そして操作訓練までを考慮し、また中継局のメンテナンスや端末供給、修理サポートなどが段階的に縮小していくことを考えると、早目に次の災害時用通信手段のご検討と切り換えを行うことをおすすめします。

計画的に移行を進めるために、以下の4つのステップで準備を進めましょう。

 

1.現状の課題の洗い出し:
まずは現在のMCA無線のご利用状況を整理し、「災害時に屋内を移動しながら通話したい」「通信時間に制限がないものがよい」「写真や動画は端末間でも共有できるようにしたい」「もっと手軽に使える端末が良い」といった、具体的な課題を洗い出しましょう。

 

2.代替サービスの比較・選定:
洗い出した課題を解決できるサービスは何か、という視点で情報収集と比較検討を行います。候補となるサービスの資料請求やデモを依頼し、自社の要件に最も合致するものを選定します。

 

3.導入・運用計画の策定:
選定したサービスの導入に向け、具体的なスケジュールと予算を策定します。全社的な操作研修や、災害時を想定した運用マニュアルの作成も並行して進めることが重要です。

 

4.MCA無線の免許手続き:
新しいサービスの導入時期が決まったら、MCA無線の利用を終了した後も電波利用料が発生しないよう、MCA無線局の廃止手続きを行います。
手続きについての詳細はこちらをご覧ください。

 

 

MCA無線の代替は?:これを押さえれば、より災害時に役立つ通信手段に切り替えられる

 

MCA無線の代替サービスを選ぶ上で最も重要なのは、「従来のデメリットを解消し、より繋がりやすく役立つBCP対策を実現できるか」という点です。

この課題を解決する最適な答えが、テレネットの防災機能ワンパッケージ無線機「ハザードトークです。

 

ハザードトークは、NTTドコモの法人専用データ帯域を利用した通信をベースに、デュアルSIMや、災害時に開放される00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)などのWi-Fiでも通話が可能……と多重のバックアップ体制を持ち、また、災害時に本当に役立つ多彩な機能を搭載したサービスです。
災害時の繋がりやすさは確保したうえで、MCA無線のデメリットを解消します。

 

>実際にMCA無線と比較してハザードトークを導入された法人様の事例はこちら

 

 

MCA無線の「できない」を「できる」に変えるハザードトークの強み

 

デジタルMCAは、屋内やビル陰などで通信が繋がりづらいデメリットがありました。

また、MCAアドバンスは、ドコモ閉域網と冗長化していましたが、ドコモ網寸断時はやはり屋内での通信は難しくなってしまいます。

 

いずれも専用アンテナを設置することで、MCA無線の屋内での通信を可能にすることはできますが、有線で配線されるため通信を行える位置が固定され、屋内を移動しながらの通話は難しくなります。

 

また、MCAアドバンスでは、写真や動画の共有が可能ですが、端末と管理画面間のみの共有となり、端末間での共有ができません。また、管理画面の閲覧には、専用のPCが必要です。

 

それと比較し、ハザードトークは、NTTドコモの法人専用データ帯域と、ソフトバンクのデュアルSIM、また災害時に開放される00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)など、Wi-Fiでも通信が可能。その上、オプションの4キャリア自動切換えモバイルルーター「N3アクセス」(月額基本料0円)を併用すれば、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの大手4キャリアの中から、その時・その場で最も電波状況の良いキャリアに接続することも可能…と、何重ものバックアップで備えているため、屋内で移動しながらの通信もスムーズです。

 

またハザードトークは、写真・動画を簡単に共有でき、Googleマップに自動でプロットされた位置情報も同時に共有できます。ハザードトークでは、端末間でもリアルタイムに共有ができるため、各現場間の情報共有や連携が図れます。

管理画面も専用PCは不要で、いつもお使いのPCから各現場状況を迅速に把握することができ、対応の優先順位付けにも役立ちます。

 

ハザードトークは災害に特化して開発された多機能端末なので、他にも

 

  • ●エリアメールよりも早く、現在地に即した地震・津波・気象警報の情報が得られる
    災害緊急警報システム「デュース」
  • ●地震速報と連動し、自動でメッセージ配信が可能な安否確認システム「スイフトメール」

など、災害時に役立つ多くの機能がお使いいただけます。

 

ハザードトークの導入は、単にMCA無線を別のサービスに置き換えるだけではなく、災害時に大切な情報共有や現状把握の体制を1ランク引き上げる意味を持ちます。

サービス終了という変化をチャンスと捉え、貴社のBCP対策を次のステージへ引き上げてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ:
MCA無線からの移行は、防災への備えを向上するチャンス

 

MCA無線のサービス終了は、すべての利用企業にとって避けては通れない課題です。しかし、これを機にこれまで以上に強固で実用的な災害対策コミュニケーション基盤を構築する切掛けにもなり得ます。

「いざという時に、本当に使える手段は何か?」

この機会に改めて自社のBCP対策を見直し、最適なパートナーとして「ハザードトーク」をご検討ください。まずは、詳しい資料のご請求や、実際の使用感を体験できる無料デモから始めてみてはいかがでしょうか。

 

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