2025年12月14日
日本海溝・千島海溝地震とは。北海道・三陸沖後発地震注意情報についても解説。
2025年12月8日に、青森県東方沖でマグニチュード7.5、最大震度6強の地震が発生しました。こちらは2011年3月11日に発生した、東日本大震災と同じ海溝型(プレート境界型)とされています。
また、最大クラスで地震・津波が発生した場合、2011年3月の東日本大震災や、今後予想される首都直下地震をも上回る被害想定が推計されているのです。
2025年5月以降、北海道周辺では12月8日以前にも複数回の地震が発生しており、地震活動が定常的にみられています。
それらの地震と日本海溝・千島海溝地震の関連性、さらに日本海溝・千島海溝地震とはどのようなものか、また今回の青森県東方沖地震後発令された「後発地震注意情報」について解説し、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)としても大切な、大きな地震への備えとなる製品も併せてご紹介いたします。
目次
日本海溝・千島海溝地震とは。その特徴は。
海溝とは、プレート(地球の表面を覆う巨大な石板)のうち、特に重い海洋プレートが、陸のプレートの下に沈み込む場所にできる深い溝です。この海と陸のプレートがぶつかり合い、海洋プレートが沈み込むことでひずみが蓄積していき、限界に達すると陸のプレートが跳ね上がります。
そうして発生する大きな地震が「海溝型地震」です。
房総沖から青森県東方沖の海溝が日本海溝、十勝沖から択捉島沖とそれより東の海溝が千島海溝と呼ばれています。

日本周辺のプレート(出展:内閣府「防災情報のページ」より)
日本海溝や千島海溝沿いの地域では、マグニチュード7~9の地震が多数発生しています。
東日本大震災も日本海溝地震に分類され、主に津波による大きな被害につながりました。
千島海溝地震の例としては、2003年に発生したマグニチュード8.0の十勝沖地震(マグニチュード8.0)があり、釧路・根室・十勝地方に大きな被害をもたらしました。
地震調査委員会による日本海溝・千島海溝地震の2021年1月1日から30年以内の発生確率は、千島海溝沿いが「7~80%程度」、日本海溝沿いが「ほぼ0~70%」※となっています。
日本海溝は、太平洋プレートが北米プレートに沈み込む境界であり、千島海溝は太平洋プレートが北米プレート系のオホーツクプレートに沈み込む境界です。
プレート境界で発生する「スラスト(逆断層)型」※の地震は、断層面の滑りが大きく、津波を伴うことが多いのが特徴です。
※スラスト(逆断層)型とは:断層面がほぼ水平に近く、上盤(上側の岩盤)が下盤(下側の岩盤)に対して押し上げられるタイプの断層運動です。
日本海溝・千島海溝地震の最大想定死者数は約20万人
2021年12月に、中央防災会議から日本海溝・千島海溝地震の被害想定が出されました。最大クラスの地震・津波が発生した場合、死者数は最大約20万人、経済的被害額は最大約31兆円にも上ると推計されています。
被害想定は、岩手県から北海道えりも岬沖合の日本海溝沿いの領域である「日本海溝モデル」と、えりも岬から東の千島海溝沿いの領域である「千島海溝モデル」でそれぞれ試算されています。

※中央防災会議 防災対策実行会議 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ
令和4年3月22日「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の 対策について 報告書 」より作成
今後発生が予想される首都直下地震の最大死者数は約1万8千人、2011年3月11日の東日本大震災の死者数が1万9,702人であることを考慮すると、最大死者数約20万人という日本海溝・千島海溝地震の深刻さがうかがえます。
また、南海トラフ地震で予想されている死者数は、最大で約29万8,000人であり、日本海溝・千島海溝地震が南海トラフ地震に匹敵するほどの巨大地震だと予想できます。
2025年5月以降の北海道の地震と、
12月8日東方沖を震源とする地震の関係
北海道では、2025年5月以降複数回の地震が発生しています。これらと12月8日の青森県東方沖を震源とする地震に関係性はあるのでしょうか。
共通点として挙げられるのは、どちらも太平洋プレート沈み込み型の海溝型地震であることです。
一方相違点としては、2025年5月以降に見られた北海道の地震は、十勝沖~釧路沖に集中
しており、主に千島海溝沿いで発生しています。
対して12月8日の青森県東方沖地震は、青森沖が震源となっており、日本海溝沿いで発生しています。
発生場所が異なるため、直接的な連動性は確認されていません。
北海道・三陸沖後発地震注意情報とは。
初発表の背景と実務での意味
気象庁が発表する後発地震注意情報は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震想定域に限定して運用されています。「北海道・三陸沖後発地震注意情報」という名称での運用が始まったのは2022年12月16日からで、2025年12月9日未明に運用開始後初めて発表されました。
日本海溝・千島海溝の巨大地震想定震源域(「三陸・日高沖」「十勝・根室沖」)に影響を与えるマグニチュード7.0以上の地震が発生した後、「平時よりも大規模地震の発生可能性が相対的に高まっている」ことを周知するものです。
マグニチュード7.0以上の先発地震が日本海溝・千島海溝沿いで発生した場合、その後約1週間は、さらに巨大な地震(マグニチュード7.8以上)の発生確率が高まるとされます。
世界統計では、マグニチュード7以上の地震の後7日以内にマグニチュード7.8以上の地震が500km以内で起きた事例は100回に1回程度と確率は低い一方、発生時の被害は甚大なため、避難の即時指示ではなく「備えの再確認・即時避難準備」を促すための注意情報です。
今回の北海道・三陸沖後発地震注意情報で警戒対象となった範囲は、北海道から東北の太平洋沿岸、さらに関東地方の一部まで広がりました。具体的には、北海道全域の沿岸部、青森・岩手・宮城・福島の太平洋側、そして南端は千葉県東部沿岸までが対象です。
東京や神奈川など南関東全域は含まれず、警戒エリアの南限は千葉県の太平洋沿岸部でした。
つまり、今回の注意情報は「北海道~三陸沖~関東沿岸」という広域にわたり、企業や自治体にとっては広範囲での防災・通信体制の再確認が求められる状況でした。
法人における巨大地震への備えは、
迅速な状況把握と指令・連絡の維持が生命線に
巨大地震発生の前後で必要なのは、まず、1秒でも早いタイミングで地震の発生を事前に知ること、そして、広域停電・通信の輻輳などの環境下でも、現場の安全確認、職員の安否、避難所や拠点間の連絡・連携、物資輸送の指示を継続できることです。
ビジネスにおいては、発災時の緊急連絡や発災後の業務継続に向け、各所との連絡が必要になります。災害時でも繋がりやすい通信手段の準備は欠かせません。
テレネットの防災機能ワンパッケージ無線機「ハザードトーク」は、災害時の情報共有、状況把握、現場連携を支える多機能がコンパクトな1台に集約されたソリューションです。
エリアメールよりも早いタイミングで、端末のある地点の地震情報を、画面表示と音声アナウンスで知ることができ、揺れまでに猶予時間を持つことで死傷率を軽減することができます。また災害時にも繋がりやすく、屋内やビル陰でも通信ができるうえ、自動録音機能付きのグループ通話や、写真・動画・位置情報の共有システムで、各現場状況のスムーズな共有と「見える化」ができ、円滑な情報伝達や指令が可能になります。
更には、地震速報と連動して、災害発生時に自動で各従業員・各拠点に安否確認のメッセージを配信し結果を自動集計、その後の状況アンケートも簡単に配信可能な安否確認システムまで、オールインワンでご提供が可能です。

巨大地震に備えた事前準備を
発災時の緊急連絡やその後の業務継続のため必要な、災害時でも繋がりやすい通信手段の確保が大切です。
災害時にも繋がりやすい通信手段を検討する際に気をつけたいことの1つは、衛星電話やMCA無線は屋内や都心部での通話が難しく、発信者着信者ともに通話時には屋外へ出ている必要があり、ビルなどでエレベーターが止まった中で、通話の必要が生じるたびに階段の上り下りをしなくてはならない事態が発生する可能性がある点です。
専用アンテナを設置することで屋内でも利用可能となりますが、有線配線された固定の場所での通話に限定されるため、移動しながら通話することができません。
また、ソフトバンクの衛星電話スラーヤは2024年8月31日、MCAアドバンスは2027年3月31日、デジタルMCA(mcAccess e)は2029年5月31日、ドコモの衛星電話ワイドスターⅡは2028年3月31日にサービス終了との発表が出ており、早目のお切り替えご検討をお勧めしています。
テレネットの防災機能ワンパッケージ無線機「ハザードトーク」は、遮蔽物の多い都心部や屋内、車内での通話も可能。音声を非常に軽いパケットデータに変換し、限定法人ユーザーだけが使用できるドコモのMVNO(法人専用帯域)データ帯域をはじめ、ソフトバンクとのデュアルSIMや、災害時に無料開放される00000JAPAN(ファイブゼロジャパン) などのWi-Fiでも通話が可能です。
そしてハザードトークには、1対1の通話はもちろん、ご関係者との情報共有が一度にできるグループ通話機能も付いています。
また、写真・動画を撮影し優先度などを選択して送信するだけの簡単操作で、Googleマップ上にプロットされた位置情報を伴い、グループ登録した端末間や管理画面に共有できる機能も。管理者と作業者、作業をしているメンバー間で速やかに現場状況を共有することが可能です。
令和6年能登半島地震被災地の復興活動でも、各社の電波が不安定な状態が長く続く中、多くの企業様・団体様にハザードトークをご活用いただきました。
【ハザードトークの主な特徴】
- ●災害時も規制がかかりづらいNTTドコモの法人専用データ帯域もしくはソフトバンク、
Wi-Fi※がつながる場所なら、屋外・屋内を問わず繋がりやすい。
※大規模災害時には、ドコモ、au、ソフトバンクの携帯大手3キャリアが公共無線LANを無料開放するサービス「00000ジャパン(ファイブゼロジャパン)」でも使用できます。
- ●通話のために屋外に出向く必要がなく、建物内でも通話ができる。
天候にも左右されず使える。
- ●グループ通話で一斉に情報の発信や集約が効率的にできる。
通話は自動録音機能付きで、離席時や聞き逃し防止に役立つ。
- ●各現場を可視化し、情報共有及び管理者による現状把握をスムーズに行える、
写真・動画・位置情報共有システムを装備
- ●ハザードトークの故障時には代替品の提供(端末電池保守加入時)があり、安心。
- ●他の災害用通信端末と比較して、非常に軽くてコンパクトなサイズ感
- ●「050」「090」「080」「070」番号で、衛星電話等の外線とも発着信が可能。
- ●通常時もスマホ感覚で、ご使用方法も簡単
- ●端末価格、月額使用料もコンパクトで導入・維持しやすい
サービス終了が発表されている、衛星電話スラーヤ、MCAアドバンス、デジタルMCA(mcAccess e)、衛星電話ワイドスターⅡをご利用中の企業・団体様には、早目のお切り替えご検討をお勧めしており、お得な乗り換えキャンペーンも実施しています。
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