2021年1月26日
IP無線とは?特徴を解説
IP無線機とは、IP(Internet Protocol=インターネットをはじめとするコンピュータネットワークで使用される通信規約)を使用し、携帯電話などのデータ回線を通じて通信を行う無線通信装置です。IP無線にどのような特徴があり、どのような活用が可能なのかをご紹介します。
IP無線とは?
IP無線は携帯電話の回線を使用し、国内の携帯電話が繋がる全てのエリアで通信を行うことができます。従来の無線機に起こりがちな、他回線の電波が混ざってしまう混信トラブルもありません。また、購入コストやランニングコストも比較的手ごろなものが多いため、さまざまな業界・業種で採用されています。
IP無線の特徴とは?
免許・登録申請が不要
携帯電話回線やWi-Fiのデータ回線を利用して通信を行うため、利用の際の免許申請などが不要です。
そのため免許取得などの手間なく幅広い方々が利用可能で、スピーディーに導入・活用ができます。
トランシーバーよりも電波が強く、携帯電話回線が使用できるエリアであれば屋外でも屋内でも問題なく使用ができるので、現場の混乱を招かずにスムーズな連絡や情報伝達が可能です。
全国どこでもつながる
携帯電話のデータ回線を用いるため、携帯電話がつながる場所ならどこでも通話可能であり、障害物やほかの電波の影響も受けにくい点も特徴です。
IP無線のメリット
通話距離の広さ
従来の無線機では通話距離に制限があり、電波が届く1km~2km範囲程度でしか通話ができませんでした。一方、IP電話は携帯電話のデータ回線を使用することで、従来の無線機よりも広範囲で安定した通話が可能になりました。
複数人と一度に通話可能
あらかじめグループチャネルを設定すれば、別々の場所にいる複数人と同時通話が可能です。複数の人に情報共有を行う際、何度も電話をかけなおす時間をロスせず、一度の通話で内容を伝えることができます。
IP無線のデメリット
定額で費用が発生する
携帯電話の回線を使用することにより、毎月の使用料が発生します。
一般的な業務用無線機は、購入後コストが発生しないものもあるので、用途によってはそのような無線機を使用する選択肢もあるでしょう。
一方、広い通信距離や混線のないクリアな通信が重視される災害時の連絡手段として比較対象にあがる、衛星電話やMCA無線ではIP無線以上の月額使用料が必要となります。
基本的には携帯電話の電波が届かない場所で使えない
IP無線は携帯電話の回線を使用するため、携帯電話の電波が届かない場所では通信ができなくなります。
一方で、弊社のハザードトークM1はデュアルSIM対応(docomoとSoftBankの法人専用データ帯域)が可能であり、またWi-Fiを使用した無線通話も可能。
万一1つのキャリアが接続できなくなった時にも、他キャリアやWi-Fiを使用して通信を続けることができ、災害時の心強い通信手段として多くの企業・団体様にご利用いただいております。
>災害用無線機としてハザードトークをご利用のお客様事例はこちら
IP無線の活用シーン
広範囲で使用できるIP無線機の活用シーンとしては、マラソン大会やイベント会場、工事・警備現場、そして長距離トラックなどに車載し移動しながらの活用などが一般的です。
さて、災害用の通信手段として、IP無線はどうでしょうか。
まず、先ほどデメリットとして挙げた「携帯電話の電波が届かない場所で使えない」という点をクリアする工夫が必要となります。
災害用という観点から見た、IP電話の選び方をご紹介しましょう。
災害用無線機としてのIP無線の選び方
災害が起きた際に使用する無線機で重視すべき点としては、下記のようなことがあげられるでしょう。
①デュアルSIMなど複数キャリアの冗長化で「災害時でも繋がる」ことが最重要
②不感地帯が少なく、屋外・屋内・移動時などシーンを問わず使用できる
③画像や動画で現場のようすを関係者間で即時共有できること
④一刻を争う緊急時でも戸惑わない、使用方法の簡単さ
⑤持ち運びしやすく、かさ張らない
IP電話の多くが②の一部については満たしていますが、それ以外のポイントはどうでしょうか。
弊社のハザードトークM1は、無線の通信方式については他のIP電話と同様、携帯電話のデータ回線を使用しています。そして、災害用の通信手段として下記ポイントを満たしています。
デュアルSIMなど複数キャリアの冗長化で災害時でもつながる
ハザードトークM1はdocomoとSoftBankのデュアルSIM対応であり、制限がかかりづらい法人専用データ帯域を使用しています。
どちらかのキャリアが万一繋がらなくてももう片方があり、またWi-Fiを使用した無線通話も可能と、何重にも通信が途切れないよう電波を冗長化。災害時にドコモ、au、ソフトバンクの携帯キャリアが垣根をこえて無料開放する、公衆無線LANサービス「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」でも無線通話が可能です。
また、050プライム機能で、社外の衛星電話など他の通信手段とも通信可能。
そのうえ、他の無線電話と比較しても最大音量のクリアな音声で、災害時の大切な連絡をサポートします。
不感地帯が少なく、屋内屋外問わず使える
ハザードトークM1はdocomoやSoftbank、Wi-Fiが使える全域で使用が可能。屋内屋外・移動時問わず使用できます。
そのうえ、最高レベルであるIP68の防水防塵性能を備えているため、雨天でも心配なくご使用が可能です。
画像や動画で現場のようすを関係者間で即時共有できる
ハザードトークM1の「ハザードビュー」では、GPS連動で位置情報を伴った写真や動画に重要度やコメントを添えて簡単にアップ可能。端末間および管理者のPC画面にて共有し、各地の現場のようすを「見える化」できます。
管理画面では重要度や状況ごとの絞り込みも行え、管理者の迅速なご判断をサポートできるシステムもご用意。いざという時の速やかな情報共有に役立ちます。
緊急時でも戸惑わない、使用方法の簡単さ
ハザードトークM1は緊急時の使いやすさ・わかりやすさを意識した災害用の「Tランチャー」を標準搭載。押しやすい大きなボタンとわかりやすい表示でとっさの時にも迷わず使用ができます。
また、各アプリケーションやシステムの使用方法も非常にシンプルで簡単に操作いただけます。
持ち運びしやすく、かさ張らない
ハザードトークM1は他のIP無線機と比較しても非常に軽くてコンパクトなサイズ感で、バッテリーライフも24時間※と他のIP無線機と比較して優秀です。
※送信5:受信5:待ち受け90の場合
「090」「080」「070」通話や「050プライム」での通話も可能
ハザードトークは「090」「080」「070」での通話も可能なので、通常時もスマホ感覚でご利用いただけます。
また、050プライム機能で、衛星電話など他の通信手段とも通信可能。
さまざまな通信手段+災害時用の豊富な機能により、1台で気軽な日常使いと災害時の通信手段確保の両方が可能となります。
災害用無線機は総合的な観点で選ぼう
種類が豊富なIP無線機。通常のイベントなどでの使用であれば、繋がりやすさやコスト感だけで選ぶのもよいでしょう。
しかし、災害用無線として選択するなら、上記のようなポイントを考慮して選択する必要があります。
必要な機能の見落としがないよう、注意しましょう。
まとめ
携帯電話回線を利用することで、一般の業務用無線より通信範囲が広がったIP無線。
主な活用シーンや使用目的に合わせて、適切な機種を選びたいものです。
災害時の通信手段をご検討中の方に向けて、下記にIP無線機とハザードトークM1の比較表を掲載いたします。ぜひご参考となさってください。