2015年1月15日

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弁護士が語る
災害対策を怠ることによる
企業の法的責任とは?

 

 

※朝日新聞2015年1月13日 夕刊より引用

 

 

「災害時には、従業員の安全は従業員自身で確保すべきだ!企業はそこまで責任は負えない」と一部の経営者から言われることがありますが、裁判所はそのように考えていません。

 

仙台地方裁判所平成26年2月の判決は、東日本大震災のような大災害のときであっても、企業が従業員に対して安全配慮義務があることを次のように端的に示しています。

 

「被告(銀行)は、本件被災行員ら3名が使用者又は上司の指示に従って遂行する業務を管理するに当たっては、その生命及び健康等が地震や津波といった自然災害の危険からも保護されるよう配慮すべき義務を負っていた。」

 

また、企業は災害時であっても顧客に対して安全配慮義務があることを示し、被災した顧客に対して多額の損害賠償を支払うよう命じた裁判例も複数あります。

 

たとえ災害時であっても企業に課された安全配慮義務は免責されません。いざというとき、避難誘導・一時滞在を的確に実施できるか、必要な情報を迅速に収集できるかが、企業の命運を左右すると言っても過言ではありません。企業経営者、担当者も必要な準備を怠らず、的確に自らの責務を果たすべきです。

 

 

 

 

 

日本弁護士連合会 災害復興支援委員会委員長

一般社団法人災害総合支援機構 副代表理事 丸の内総合法律事務所 

パートナー弁護士

中野 明安 氏

 

 

 

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