2026年3月24日
東日本大震災から15年。
令和の今こそ行うべき防災対策を解説
東日本大震災から15年。今ではスマホ利用率は9割を超え、誰もが高品質な動画をやり取りする時代。災害時の通信負荷は15年前とは比べ物にならないほど肥大化しています。
防災対策では、デジタルを駆使して状況を可視化する重要性が年々増しているのです。
さらに、現在は「AI時代」へと突入しました。被災直後は情報が錯綜しやすくなるからこそ、自治体や企業の防災には最新で正確な現場の情報の把握が必要不可欠です。
本記事では、最新のBCP動向や法改正を踏まえ、令和の情報輻輳に飲み込まれない防災無線について解説します。
目次
15年で変わった時代。災害対策の常識も変化
東日本大震災が発生した2011年当時、被災地での主な連絡手段は従来型携帯電話(フィーチャーフォン)によるメールや電話でした。まだ、情報のやり取りがテキスト主体であり、通信インフラへの負荷も現代と比べれば小さいものでした。
さらに特筆すべきはSNS環境の変化です。当時はTwitter(現X)が普及し始めたばかりであり、Instagramは日本語版すらリリースされておらず、TikTokのような短尺動画プラットフォームは存在すらありませんでした。
災害後に人々が情報発信をするのは、「無事です」というような短いテキストが中心であり、画像や動画が通信環境を埋める状況ではなかったのです。

しかし、この15年で状況は一変しました。現在は全世代がスマートフォンを所有しているとも言われ、情報量に富んだ動画コンテンツを日常的に視聴・発信しています。
このように、発信者数の激増と、コンテンツのデータ量の増大により、モバイル通信のデータ容量は当時とは比較にならないほど肥大化しています。
さらに、現在の象徴ともいえるのが「AI」の存在です。スマートフォン内の写真の自動バックアップや、AIによる画像・動画のリアルタイム処理、生成AIのデータ処理など、無意識のうちに膨大なデータ通信をしています。
現代において、かつてのテキストメール、メッセージとは全く異なるデータ量のやり取りが必要になります。
誰でも簡単に動画を発信できる時代だからこそ、震災発生後に一斉に動画がアップロードされ、多くのAI処理が発生する可能性があります。
この現代の通信環境に対して、15年前の備えでは乗り越えられないほどの飽和状態になっているのです。
画像・動画共有がもたらす効率化。情報の密度を上げる。
前章でも述べたように画像や動画による情報発信は通信環境を圧迫し、通信の輻輳を引き起こす原因にもなります。
しかし、それでもなお現在の防災において、視覚情報を含む情報の共有は避けて通れない最重要項目です。現場の生きた情報こそが、迅速かつ的確な意思決定に繋がる手段だからです。
テキストのみのメッセージや、シンプルなトランシーバーのような音声のみの状況報告では、発信者の主観的な判断になってしまうという弱点がありました。
例えば、「建物が倒壊して道路が塞がっている」という報告だとしても、
・普通車両も通れないのか、大型車両や重機が通れないのか
・徒歩では通れるのか
・復旧にどのぐらいかかりそうなのか
・周囲の状況はどうなのか
など報告を受けた側が正確に判断するには限界があり、個人による差が大きな影響になることもあります。
確認のために何度も聞き返して再確認する必要も出てきます。

だからこそ現代の防災において、画像や動画の共有はこのような現場と本部の認識のズレを瞬時に解決します。
例えば、現場から送られてくる1枚の画像や10秒の動画。これには数分間の音声報告や長文のテキストよりも、正確かつ多くの情報を客観的に伝えることができます。
これにより、適切な意思決定が可能になり、効果的なリソースの配分ができます。
画像や動画での情報共有は、正確な情報を把握し意思決定のスピードを上げるためのキーファクターなのです。
しかし、この非常に強力な手段も、実際に情報が届かなければ何の意味もありません。次章では、この密度が高いデータを災害時でも届けるための「通信の繋がりやすさ」について深堀します。
情報を届けるために。通信確保は防災の根幹。
画像や動画による情報共有が不可欠になった現代の防災において、最大の壁となるのが通信の輻輳です。
●東日本大震災での通信状況(2011年)
災害発生直後に音声通話に対して、最大でNTTドコモが90%、KDDIが95%、ソフトバンクが70%の通信規制が実施されるという深刻な事態に陥りました。
メール(パケット)は、一時、NTTドコモが 30%の規制を実施(すぐに規制は解除)し、他社では、規制を実施されませんでした。
当時はまだデータ通信の利用が限定的だったので、テキストベースでのメールのやり取りがまだ機能しておりましたが、それでも情報の遅延は発生しておりました。
●能登半島地震(2024年)
直近で発生した能登半島地震においては、新たな課題が浮き彫りになりました。スマートフォンが完全に普及した今、災害時において基地局の損壊に加えて、生きている回線に数万人分の安否確認や動画投稿が集中したと言われています。
総務省の報告によると、発災直後から発生した停電の長期化や土砂崩れなどによる伝送路等の断絶等の影響により、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル各社を合計して最大839の携帯電話基地局において停波し、通信が極めて困難な状況に陥りました。
一般回線に依存した情報収集がいかに不安定であるかが証明されたのです。

出典:令和6年 能登半島地震における通信障害等の状況について
ここで、防災無線など災害時でも繋がりやすいとされている製品・サービスが活躍しますが、いくつかの課題点を整理する必要があります。
●MCA無線
長年防災無線として導入されており、MCA無線専用の中継局という自営網を持つため、輻輳には強い特徴がありますが、デジタルMCA(mcAccess e)は、基本的には音声のみの通信です。前述したような画像や動画による現場の可視化が難しく、現代の防災対策として対応しきれない部分があります。
また、MCAアドバンスは視覚情報の共有が可能ですが、端末と管理画面間のみの共有になり、端末同士で情報共有が図れず、現場連携が取りにくいという課題がありました。
更に、自営網がゆえに、カバーエリアの限界があったり、免許が必要になったりするなど、制約が多いこともリスクの一つとして挙げられます。
中でも、一番押さえておかなければならないのは、MCA無線のサービス終了が決まっていることです。
一般的に終了予定のサービスについて、企業では新規の設備投資や積極的な品質改良・改善などの体制がなされるものではないため、今後の災害時通信手段としては、早目に他のサービスへの切替を検討する必要があります。
参考記事:MCA無線サービス終了 免許の有効期間と廃止届の注意点
●衛星電話
次に衛星電話についても見ていきます。「空が見える場所ではどこでも繋がる」というのが強みですが、逆に言うと「屋内や地下では繋がらない」「ビルが隣接する都心部や、雨雲や冬の雪雲の時も繋がりにくい」というデメリットがあります。
これらの弱点については、au Starlink Directなどのスマホと衛星の直接通信サービスについても同様です。
また、衛星電話は使用方法が分かりづらく使用するうえで制限があった、という声もあります。
・衛星携帯電話は通信容量が少なく、(屋内でつながらないため)こちらからはかからない。時間を決めて、何時に定期連絡をくださいという形で運用。(輪島市役所)
・衛星携帯電話は、早めに届けていただいたのだが、上手く使い方が分からなかった。(珠洲市避難所)
引用:総務省「災害時の通信確保に向けた検討」
災害時における真の繋がりやすさとは、単純に声やテキストが届くだけではありません。
通信輻輳の影響を受けにくく、画像や動画、位置情報などの情報を迅速かつ的確に届けること。
これが防災における必要条件なのです。
ハザードトークの優位性。繋がりやすく使いやすい。
15年での通信環境の変化、膨大化するデータの課題を解決し、令和の防災を支えるのが「ハザードトーク」です。
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他の製品や一般のスマートフォンとは一線を画す強みを解説します。
①法人専用のデータ帯域による圧倒的な接続性
ハザードトークの最大の強みは、「法人専用データ帯域※」を使用し、通信の輻輳を避けられる点にあります。
前章でも述べた通り、災害時には一般のデータ帯域はSNSや動画共有などにより情報の大渋滞を引き起こします。しかし、ハザードトークは、自分たちだけの専用レーンを設けることができるので、情報の渋滞に左右されづらい利点があります。
繋がらない、送信できない、という状況の中でも、繋がりやすい環境を構築できます。
更に災害時に開放されるファイブゼロジャパンや、Starlinkの衛星Wi-Fiなど、Wi-Fiでも通信ができ、加えて4キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)の中で最も状態の良い電波に自動接続するモバイルルータをオプションとしてご用意するなど、何重にも冗長化し、繋がりやすさをキープします。
※特定の法人様専用の帯域が提供されるものではございません。
②「撮って送るだけ」。画像・動画を簡単に共有。さらには位置情報も自動でプロット
スマートフォン型の防災無線のため、使い方も簡単。特殊な操作は一切不要です。
ハザードトークを使って、現場の状況を撮影し、重要度を選択して送信するだけ。
さらに、位置情報も自動でプロットされるため、どこで何が起きているのか、全体状況の可視化を容易にします。
これにより、正確な情報を素早く集約・判断することができ、初動に大きな差が生まれます。
画像、動画、位置情報の共有は、管理画面と端末間のみにとどまらず、端末同士での共有も可能なため、各現場間の連携もスムーズに行えます。

③グループ通話で迅速な情報共有が可能
緊急度が高い情報などは、各方面にリアルタイムで情報を共有する必要があります。
ハザードトークは、1対1の対話はもちろん、グループ通話、一斉通話にも対応。
グループ通話や一斉通話を使用することで、組織全体へ短時間で情報を共有することができます。
早い段階で全体が共通認識を持つことができ、指示の正確性や混乱回避に大きく寄与します。
時代に合わせた対策が命と業務継続を守る。
東日本大震災から15年。私たちの生活、仕事環境はデジタルによって劇的に進化しました。しかし、それと同時に災害時の通信リスク、災害後の事業継続するためのBCP対策の必要性もかつてないほど高まっています。
AIやSNS時代において、防災計画で「災害時でも繋がり易い通信手段がない」ということが看過できない状況になっています。通常業務にもデジタル化が進んでいます。
災害時に従業員や関係者を守り、また事業を継続・維持するために、通信環境の確保は最重要課題です。
これらを支えるのは、必要な機能が一つに詰まった、防災機能ワンパッケージ型無線「ハザードトーク」です。
画像・動画・位置情報の簡単さ、一元管理、グループ一斉通話など多くの機能を搭載し、その機能を最大限活用するための通信環境づくりを「法人専用データ帯域」及び通信の冗長化で支援します。
ハザードトークは、真に機能するBCP対策に寄与します。
次の巨大地震がいつ来るかわからない今、「災害時でも繋がりやすい通信手段の備え」を再度見直してみてはいかがでしょうか。
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