2023年1月26日

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MCA無線とは?特徴を解説

 

実は...災害時に強くない!?

災害発生時におけるMCA通信網の断絶が起こりえます。

なぜ通信障害が発生するかを特徴を捉えながら解説いたします。

 

 

MCA無線とは?

 

MCA無線とは?

 

 

 

MCAは1つの基地局で約30KMの広域をカバーする仕組みです。そのため、1つの基地局がダメになると何処に移動しても通信ができなくなります。
過去に福島沖で発生した震度5弱の地震等でも基地局が停波し、自治体で使用できないといったことがありました。そもそもMCAは携帯ができる前のトラック用の無線として使用されていましたが、携帯電話の普及により、この20年のMCA契約数が638,557から136,665と8割も減少(つまり8割のユーザーが解約)しました。これにより収益が圧迫されて新たな基地局の仕組み等を作るのがなかなか難しいという実態がございます。

 

 

MCA無線とは?

 

チャンネルと通話時間に制限がある

MCA無線は、制御局が利用者に空いているチャンネルを割り当てていくため、空きがなければ利用することができません。限られたチャンネルをスムーズに振り分ける必要があることから、通信時間に制限のないIP無線機と異なり、MCA無線機では1回の通信時間が3~5分に制限されています。

 

災害時の通信手段として利用可能

災害時には、携帯電話や固定電話は通信網に通信が集中するため、接続が制限されつながりにくい状態が発生します。一方で、MCA無線は、電話回線を利用しないことから災害時の備えとして利用されています。

 

制御局の契約数によって通信距離が変動

通信距離は、中継する制御局の契約数によって変わってきます。制御局の契約数が多ければ全国通信も可能であり、エリアを区切れば、関東、近畿など拠点間通信も可能です。制御局は24時間365日体制で保守管理されています。

 

資格取得は不要だが免許申請が必要

利用に無線従事者等の資格は必要ありませんが、免許申請は必要です。

 

 

MCA無線のメリット

 

MCA無線は広域で無線通信が可能

MCA無線は全国に設置された中継局を活用することで、広域で無線通信を行うことが可能です。中継局をつなげれば、北海道から沖縄まで全国で通信をすることができます。

このような理由から、警察署・市役所・学校・病院などの公共機関で連絡を取り合うときなどに、安全かつ迅速な連絡手段としてMCA無線が利用されています。

 

MCA無線は混信や割り込み、盗聴の心配がない

MCA無線で通信を行う場合、中継局で利用者ごとに「ユーザーコード」が割り当てられます。中継局では、同じユーザーコード同士でのみ無線通信を行うように設定されていますので、広域での無線通信でも混信や割り込み、盗聴などの心配がありません。

このような理由から、警察署・市役所・学校・病院などの公共機関で連絡を取り合うときなどに、安全かつ迅速な連絡手段としてMCA無線が利用されています。

 

MCA無線は低コストで広域通信が可能

MCA無線は中継局を共有して利用することができるので、業務用無線と比較して低コストで広域の無線通信を利用することができます。

 

 

MCA無線のデメリット

 

MCA無線は免許が必要

業務用無線の中では遠距離用業務無線として位置づけられているため、使用するためには免許の取得が必要になります。

免許の取得にあたって管轄の総務省・総合通信局に必要書類を提出しますが、書類の提出から免許発行までには、およそ約3週間前後の期間がかかります。また、MCA無線の免許有効期限は5年となっているので、継続して使用する場合は再免許の申請手続きも必要になります。

 

中継局のエリア外は通信できない

全国各地に100か所以上配置されていますが、山間部やビルが立ち並ぶ都市部では無線通信がつながりにくいところもあります。

また、契約している中継局がカバーしていないエリアでは通信ができないので注意が必要です。

 

契約する中継局が多くなると利用料が高くなる

中継局や通信網を共同利用するMCA無線は、業務用無線と比較すると低コストで運用できますが、中継局を利用するにあたっては、一定の利用料が月額で発生します。

金額は契約の内容によって異なりますが、通常は中継局ごとに利用契約が必要になりますので、契約する中継局が多くなるほど通信エリアは広がりますが、その分月額利用料が高くなる傾向にあります。

 

 

まとめ

 

MCAの利用客数は携帯電話の普及により減少傾向であり、設備等の災害対策費が少ないのが実情です。

災害時でも安定してつながる、携帯キャリアの法人専用帯域が使える無線機を利用することを推奨いたします。

 

 

 

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