2021年8月11日

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企業が考えておくべき災害時の通信手段とは|ワクチン予約の事例から

 

災害時の通信手段は政府や自治体だけでなく、企業も考えておかなければならないリスク対策です。特に通信アクセスの遮断やアクセス制限下では、企業が以下に社員に通信手段を提供できるかが災害対策の鍵になります。

 

今回はワクチン予約における通信制限の事例から、企業が考えるべき災害対応のあり方について考えていきましょう。

 

自治体でワクチン予約に通信制限がかけられた

 

NTT

日本経済新聞

 

NTT東西は5月9日、新型コロナウイルスのワクチン接種予約を実施する各自治体の電話番号に通信制限をかけることを発表しました。

 

これはワクチン接種予約による通信量の増加で警察や消防など緊急通報に影響が出ることへの対策として行われた措置です。

 

また、東京都内では9日以前に固定電話が一時つながりにくい状況が発生していました。ワクチンによる電話予約が急増したことにより、NTT東が都内の固定電話への着信を一時制限したためです。

 

ワクチン接種予約は高齢者層が多いため、電話で予約する希望者が殺到することはあらかじめ予想される事態です。

 

しかし、災害時などの緊急事態で同様のことが生じた場合、人々の大きなリスクが生じることになります。

 

災害対策やの整備は企業の評価に関わる重要な要素

 

BCP

東日本大震災など大きな災害が発生した時には、多くの企業が社員との通信手段を絶たれ、混乱が生じました。

 

これらの反省を生かし、最近は日本でも企業の災害対策の見直しが行われるようになりました。

 

その一つが「BCP(事業継続計画)」の策定です。BCPとは災害や感染症などが発生しても企業が重要な事業を継続・復旧させるための方針や手順を示した計画のことです。

 

BCPを整備し社内に共有することで、社内の緊急時のガバナンスを整備することができます。また、BCPはCSRとして消費者にアピールしたり、投資家や取引先に事業の継続性をアピールすることができます。

 

BCP策定においては、通信手段の確保が最も大事な要素です。混乱を避け、遠隔からでも安定した通信が確保できることが事業の継続性を高めるために重要なのです。

 

企業が採用すべき緊急時の通信手段とは

 

災害や感染症などの緊急時には、安定した通信手段を確保することが必要不可欠です。ここでは、企業が採用すべき通信手段について解説します。

 

できるだけ多くの通信方法を確保しておく

 

今回のワクチン対応をめぐる通信制限の事例でもわかるとおり、できるだけ多くの通信手段を確保することは、企業の災害対策やBCP作成時に最も重視すべき視点です。

 

ワクチン対応の事例では、電話の発着信が一時的に制限されました。外線発信として携帯電話や固定電話、衛星電話とも通話ができるような通信手段を確保する必要があるでしょう。

 

また、社員の安否確認は通話やメールだけでなく、端末によりGPSでリアルタイムに追跡できるようにしておくことが大切です。

 

ひとつの通信手段に頼るのではなく、様々な連絡経路を確保することがリスク分散に繋がります。

 

遠方や地下などでも繋がる通信手段を確保しておく

 

緊急時に社員が出張に出ている場合などは、遠方でも安定して通信できる手段を確保することが大切です。

 

また、災害で屋内や山奥、地下などに避難している場合は、これらの場所でも通信できる手段を考えておく必要があります。

 

災害・感染症などの緊急時に役立つ「ハザードトーク」とは

「ハザードトーク」は、災害や感染症などの緊急事態が発生した場合に安定した通信手段として役立ちます。ここからは、緊急時にハザードトークが優れている点について説明します。

 

 

スマホ感覚でどこでも通信が可能

 

ハザードトークは、携帯電話のように屋内、地下、山間部などでも、DoCoMoの電波(LTEまたは3G)の利用範囲内であれば全国どこでも利用することができる防災用無線機です。

 

また、DoCoMoの電波が届かない場所であっても、Wi-Fi使用可能エリアであれば通話することができます。

 

豊富なオプションであらゆるケースに対応可能

 

ハザードトークは豊富なオプションが用意されており、位置情報の確認や写真共有なども簡単に端末上から行うことができます。

 

位置情報に関しては、ハザードトークが現在位置をGPSでリアルタイムに把握しているため、移動速度や方角などの現在位置をMap上に表示することが可能です。

 

また、専用アプリ「ハザードフォトス」を利用すれば、ハザードトーク同士で写真を共有できます。Map上に写真をマッピングしながら共有することも可能です。

 

災害時に被害状況を自動で集計してくれる

 

 

ハザードトークには「拠点情報集計システム」という機能があり、事前に設定を行った災害が発生した場合に各拠点のハザードトークへ自動でメッセージを配信してアンケートへの回答を促し、回答結果に基づき被害状況を自動で集計することができます。

 

例えば、策定したBCP内の基準が震度5強以上で何らかの対応をすると明記していた場合、その基準に合わせて震度5強で自動メッセージを送信するように設定しておけば、BCPの内容と整合性のある安否確認が実現可能です。

 

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